湘南台文化センターにあるプラネタリウムは1989年の開館以来、多くの来場者を楽しませている。160席、直径20mの大パノラマは県内2位の規模。名物の一つは「星空解説員」と呼ばれる職員の個性あふれる生解説だ。10月9日に機材のリニューアルを経て期待の集まる宇宙劇場を取材した。
眼前には息を飲むような満点の星空。「オリオンの視線の先、ひと際明るい星があるのがお分かりでしょうか。あれは六連星、スバルです」。星空解説員の穏やかな声が、幾億光年の宇宙の旅へ誘ってくれる。
同館では、毎日上映のプログラムと土日祝日限定の子ども向けを中心に、日々星空の魅力を発信している。季節ごとにプログラムは変わり、毎年3種類を上映。一回約50分、映像番組と「今日の星空」の生解説のセット構成が基本となっている。
映像番組は、同館職員によるオリジナル。定番の季節の星空解説から、アロマと一緒に楽しめる鑑賞会、「駄洒落で解説」といった変わり種もあり、来館者を飽きさせない。
解説員は番組制作のほか、機器の操作から解説まで一手に担う。特別な資格はないが、教育研究施設として遜色ない知識力と、聞き取りやすく観客を飽きさせないトーク力が求められる。上映中は館内は暗闇になるため台本はなし。記憶力やアドリブ力も欠かせない。
同館には非常勤を含め男女3人ずつ、計6人の解説員が所属。シフトは不定期のため、どの解説員かも巡り合わせ。生解説の内容は個々の裁量に任され、日々移り変わる星の動きもあり、同じ解説は2度ない所も魅力の1つだ。
在籍の最長は約30年の中村有紀さん(59)。大学で物理学と天文学を専攻し、深く幅広い知識を持つ。解説に散りばめられた、思わず天文好きになってしまうような知識のチョイスが評判で、上映後に質問の列ができるほどだ。
優しく深みのある声が魅力の佐藤佑暉さん(60)は現役声優。元々のプラネタリウム好きが高じての所属で、老若男女に分かりやすい解説が人気だ。代表作にセーラームーンやウルトラマンコスモスなど宇宙にまつわる作品が多く、「不思議な縁ですね」と笑う。
全国的にプラネタリウムは減少、予算縮小傾向にある中、同館へは都内からや毎週のように通うファンもいる。「主役は星空。解説員はあくまで星空の案内人」と中村さん。「宇宙の壮大さに身を任せてほしい。どなたも素敵な星空の旅へお連れいたします」とほほ笑んだ。
一般向けプログラム午後3時50分〜、キッズプラネタリウム(土・日・祝)午前10時30分〜。宇宙劇場入場料こども200円、おとな500円。湘南台1の8【電話】0466・45・1500
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