私たちの声を載せてもらえないでしょうか――。新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言下の9月下旬、藤沢市内在住の中学3年生の女子生徒からそんな投稿が本紙に寄せられた。先月30日に宣言が解除され、公立小中学校でも部活動や学級を超えての活動が再開され始めたが、感染症対策の徹底のため様々な場面で制限は続く。学生目線で訴えたいこととは何か。話を聞いた。
中学3年生が本紙に投稿
「学生には目が向けられているようで、誰も声を拾ってくれません」。夏休みが空けて2週間あまり。一向に元に戻らない学校生活が続く中、不満を抱えていた。
休み時間も原則自席から動けず、マスクを外す昼食時は皆が同じ方向を向いて一言も話さない。楽しみだった他級友とのおしゃべりの機会はなくなり、修学旅行は行けるかどうかも分からない。
「ただただ勉強だけをする場所」。楽しかったはずの学校生活が無味乾燥に思えて仕方なくなった。「『あれをやれ、これをやれ』と言われるばかりで当事者が置き去りになっている」と疑問を投げ掛ける。
胸につっかえていることがある。休み時間に職員室を訪れた際、数人の教師がマスクを着用していないのが目に付いた。一度ではない。「私たちに言うなら何で大人が守らないんだ」。テレビ越しに世間を観れば、飲酒制限の緩和に大人が喜んでいる。自分たちは今も楽しい給食の時間を我慢しているのに。どう考えても不公平だ。
後輩たちのことを考えるとやるせない。「中学生活の一番の思い出は」。そう問われれば自分は1年生のときのことを話すだろう。コロナがなかったからだ。
だが、2年生以下にはそれがない。「中学校生活は楽しいものなのに、知らないまま卒業することになったらあまりにかわいそう」と慮る。
感染症対策をやめろとも緩めろとも言うつもりはない。ただ、学生がどう思っているのか聞いてほしい。切実に、そう感じている。
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