日本サーフィン発祥の地と言われ、様々なビーチカルチャーを発信してきた鵠沼海岸の歴史をひもとく企画展が鵠沼市民センター内の鵠沼郷土資料展示室で始まった。「鵠沼海岸は『海水浴場』から始まった」と題し、明治に開設された同海水浴場の変遷を当時の社会情勢などを交えながらつぶさに紹介。地域の歴史を垣間見れる内容となっている。
鵠沼海水浴場が開設されたのは1886(明治19)年。当時、海水浴は「潮湯治」と言われ、病気療養や治療が主だった。翌87年には現在の東海道線が横浜〜国府津まで延伸。かつて幕府の砲術訓練場だった跡地を中心に別荘開発が進み、レジャーとしての文化が根付いていったという。
展示室では、潮湯治する人に混ざって板に乗って波乗りに興じる若者や海水浴場に作られた監視やぐら、当時の鉄道省が建てた海の家などを写真や絵葉書で紹介。関東大震災後、相模湾一帯が隆起したことで砂浜が広がり、塩害対策として松林が整備されていったことや湘南遊歩道(国道134号線)が舗装された様子も取り上げている。
関連トピックスでは明治中期から昭和初期までの水着の変遷をイラストで紹介しているほか、「くげプー」の愛称で親しまれ、2000年に閉業した小田急鵠沼プールガーデンの移り変わりも見て取れる。
同展示室運営委員の内藤喜嗣さん(86)は「鵠沼海岸からは海水浴やサーフィンなど様々な文化が花開いて行った。歴史の移り変わりに触れてもらえれば」と話した。
来年2月15日まで(月曜休館)。入館無料で、開館は午前10時から午後4時。問い合わせは同展示室【電話】0466・33・2001へ。
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