藤沢の市立小学校を訪問し、異文化理解の授業を行う「国際理解協力員」。外国人市民が担い手となり母国の文化や日本との違いを紹介し、児童の国際性を養っている。「外国人市民と藤沢の関わり」を紹介する連載の2回目は、教育現場に携わる市民にスポットを当てる。
「hola(オラ)」。10月下旬、辻堂小学校3年生の教室にスペイン語のあいさつが響いた。ペルー出身の市川ジョバンニさん(52)=羽鳥在住=がにこやかに話す。「藤沢が冬だとペルーは夏。サンタクロースはサーフィンをして来る」「国旗の色は、日本と同じ赤と白」
市川さんが写真やイラストを交えて日本語で説明すると、児童たちの緊張がほぐれ、「ペルーの場所は」「ナスカの地上絵は何が描いてあるの」と次々と質問の手が上がる。授業の最後は「グラシアス、アディオス(ありがとう、さようなら)」の声が揃った。
外国語教育の根幹に
「国際理解協力員」は現在4人。中国、ペルー、ロシア、スリランカ出身の市民が務めている。市が派遣し、公立小35校の全クラスを年2回訪問。特別授業の位置づけで「国際理解」の授業を実施している。
市教育指導課は「身近な外国人市民から異文化の話を聞くことで、外国語教育の根っこの部分になる」と話す。
市川さんは、日本人男性との結婚を機に来日。10年以上国際理解協力員を務めている。「食べ物や動物、季節など身近なもので異文化を知ってもらい、興味を持ってもらえれば」と話す。
3年目というロシア出身のタラノワ・スイトラナさん(39)=善行在住=は、授業に名産品のマトリョーシカを持参。「ロシアになじみのない小学生でも覚えてくれる。『ラナ先生、次はいつ来るの』と声をかけてもらえることもやりがいを感じる」と話した。
|
|
<PR>
藤沢版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>