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藤沢版 公開:2021年10月29日 エリアトップへ

「どんな本、どれだけ読んだ?」 読書普及へウェブ検定 「読Q」辻堂在住の主婦が考案

社会

公開:2021年10月29日

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読Qのトップページ
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 「英検」や「漢検」に続く新たな資格に――。読書の面白さや大切さを広く普及しようと、辻堂元町在住の主婦、神部ゆかりさん(58)が独自のウェブ検定を考案した。自身が代表理事を務める(一社)読書認定協会が今春から検定システムを立ち上げ運営。作品ごとに設問を設け、認定級を上げていく仕組みで、神部さんらは「検定を通じ、読書がもっと世の中に広がる仕組みをつくれたら」と意気込んでいる。

 きっかけは、神部さんが米国滞在中に3人の子どもが通っていた学校のカリキュラム。子どもは本を読み、読後にパソコンでその内容のクイズを受けるというもの。子どもたちの読書量は多く、英語習得にも効果的だと実感したという。自身も昔から読書好きだったことから「日本でも同じようなことができないか」と考えはじめた。

 ヒントを得て作ったのがウェブ上で受けられる検定システム。読書の「読」とクイズの「Q」を組み合させ「読Q」と名付けた。このシステムでは、本ごとに難易度や長さによって8から20問の問題が設けられており、参加者は読後にシステム内でその本の問題に答える。正答率で合否が決まり、合格して得られるポイント数に応じて級の認定が受けられる。

 問題は〇×の2択。同サイトのサンプルを例に挙げると「大声を上げてわんわん泣いていたのは、美咲(――)です」という問題文の線が引かれている部分の登場人物の名前が正しければ〇、誤っていれば×といった具合だ。読解力を問う問題ではなく、名前や場所、感情など簡単だが読んでいないと答えられない質問になるよう工夫されている。「検定というシステムで、読書歴が見えるようになると、自主的に本を読み進めるきっかけになるのではないか」と期待している。

課題はクイズ登録数

 今年3月に運用を始めた「読Q」だが、検定クイズの登録数が少ないのが課題という。現在、クイズ登録数は約80冊分。芥川龍之介や灰谷健次郎など著名な作家の作品もあるが、子どもたちに使ってほしいと小学生向けが多い。そこで同協会では、検定クイズを作成するボランティアを集い、システムの充実を図る活動も行っている。

 神部さんは「藤沢は図書館が充実していて読書好きの方も多いと思う。協力してほしい」といい、「将来は、この資格が学校や企業・実社会で評価されるようになればうれしい。読書を通して幸せに生きていくきっかけになれば」と話した。

考案者の神部ゆかりさん
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