神奈川県弁護士会が藤沢簡易裁判所(朝日町)に家庭裁判所出張所の併設を求めている。管轄する地域の人口が増加し、高齢化が進む一方、相続や離婚といった家事事件を取り扱う裁判所が地域にないことなどが背景にあり、12月4日(土)には藤沢市民会館小ホールで運動への理解を呼び掛けるイベントを開催する。
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家裁出張所は家庭裁判所の一部事務を取り扱う機関で、最高裁判所の規則で設置する。全国には77カ所あるが、県内にはなく、住民が家裁を利用する場合は本庁がある横浜市に赴く必要がある。
藤沢簡裁は藤沢、茅ヶ崎、大和、海老名、綾瀬、寒川の5市1町を管轄。2020年の合計人口は約118万6千人にのぼり、藤沢市は44万人を超えて微増が続く。
同弁護士会によると、県内の家事事件総数は年間約7万7千件(2018年)。30年の間に4倍に増加しているといい、高齢化の進展に伴って成年後見や相続、遺言関係の事件が増えることが予想される。藤沢簡裁管轄地域のみの事件数は不明というが、人口比で横浜家裁本庁管轄地域全体の約22・9%にあたることから、「裁判所の支部に匹敵する家事事件の数がある」と指摘する。
同弁護士会の服部功志弁護士は「(家裁出張所がないことは)全国を象徴する問題。公共インフラの仕組みとしての司法を身近に感じてもらえるよう改めて理解と協力を呼び掛けたい」と話す。
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「弁護士会支部サミットinふじさわ〜私たちの街に家庭裁判所出張所を!」は午後1時30分から4時30分。入場無料。有識者のシンポジウムのほか、テーマに沿った漫才なども取り入れ、司法の問題を身近に感じてもらう。問い合わせは同弁護士会業務課【電話】045・211・7705へ。
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