老朽化に伴う藤沢市民会館(鵠沼東)の再整備を巡り、藤沢市はこのほど計画の骨子となる基本構想をまとめた。財政負担の低減などを目的に従来の公共施設を含む10の機能を集約。民間ノウハウや資本を活用する手法なども視野に整備を進め、2029年頃供用開始を目指すとしている。ただ、複合施設としては過去最大規模になる見通しで、膨らむコストと計画の折り合いがつけられるかが今後課題となりそうだ。
民間資本活用も視野
先月25日開催の市議会藤沢都心部再生・公共施設再整備特別委員会で市が報告した。
同館は1968(昭和43)年に開館。1300席を超えるホールや展示場、集会場などを備え、音楽や演劇を中心に市民の文化芸術発信拠点として長年親しまれてきた。
再整備について、市は大規模改修か建て替えの2択を検討。長期利用や複合化が可能な建て替えとしたが、新型コロナウイルスの影響で基本構想策定が1年先送りになっていた。
基本構想では「人々が集い、奏で、響きあう、文化芸術の共創拠点」を基本理念とし、拠点機能として▽文化芸術・知識との出会い▽みんなの居場所▽多くの機能が連携▽緑豊かで開かれた▽安全安心を支える―を掲げた。また複合化する機能として既存の市民会館と南市民図書館に加え、市民ギャラリー、常設展示室、青少年会館、市民活動推進センター、文書館など10の施設をあげた。
延べ床面積は約2万1400平方メートルを想定。総事業費は「概々算」(市担当)とした上で約171億円を見込む。このほか、奥田公園や300台が収容できる駐車場、建築家の遠藤新が設計した旧近藤邸、浸水対策施設を敷地内に整備するとしている。
市は21年度中に基本構想を固め、22年度には基本計画に着手。設計、解体工事などを経て29年の供用開始を目指す。
浸水対策施設、整備へ
基本構想では敷地内に新たに浸水対策施設を整備することも盛り込まれた。周辺地域では雨水を排水できないことによる浸水や道路冠水が度々発生しており、市がシミュレーションで浸水リスクを評価したところ、市内175ブロックの中で立地する鵠沼東部が最も高かったという。
敷地面積は4千平方メートルを想定。敷地の地下30mに雨水ポンプ場と貯留施設を整備する計画で、事業費は約90〜100億円を見込んでいるという。
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