3者連携事業20年 関係者ら感慨
地域の小中学生に五行歌作品を募り、冊子にして贈る取り組みが明治地区で続いている。学校・保護者・地域の3者による実行委員会の主催で、今年20年目を迎えた。長年の活動は五行歌を地区の文化としても根付かせつつあり、子どもらの心の交流を育んでいる。
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明治地区青少年ふれあいネットワーク事業の一環。毎年夏休み前に、明治・八松・羽鳥の3小学校、明治・羽鳥の2中学校に作品を募集している。
寄せられる作品は多い年には2千首近く。全作品を実行委メンバーや有志が手作業で入力し、校正しながら冊子にまとめていく。
ルールは、一行を一息で読める長さで書くことだけ。日頃の学校生活で感じたことや家族関係など題材も自由。作品には子どもたちの素直な気持ちが息づいており、時代や世相を反映したものも少なくない。例えばこんな具合だ。
《「男らしく 女らしく」/そんな言葉はもう古い/縛るような事で「らしく」は使いたくない/使うならば/「自分らしく」として使いたい》
(明治中1年)
寄せられた作品は毎年実行委が120首に選定し、地元商店街の街頭や地域のまつりなどで展示、病院の受付で供覧したりもする。
明治小では毎年夏休みの課題として五行歌を採用。作品が冊子になり、お披露目される機会を得ることが子どもたちの意欲にもつながっているといい、小林美奈子校長は「作品を通じた子どもたちの心の交流にもなっている。素晴らしい取り組みで末永く続けてもらいたい」と話す。
資金難で紆余曲折も
事業の継続を巡っては紆余曲折もあった。年を追って市からの補助金が減額する中、冊子代の工面に難航。中止も頭をよぎったが、学校関係者からの継続を望む声も後押しとなり、2010年からは商店街や事業者、個人などから協力金を募り実施する現在の形に落ち着いた。
「五行歌は子どもたちの心が形になったもの。冊子として配ることを貫きたかった。長く続いてくれることは本当にうれしい」。事業の発案者で初代実行委員長の実川榮さん(85)は感慨をにじませる。
7年ほど前から実行委員長を引き継いだ窪田園子さん(59)は「五行歌は心を育むコミュニケーションツール。明治地区の文化の一つとして、続いていくことに意味があると思う」と話した。
辻堂駅前で120首展示
辻堂駅前の湘南銀座商店街で、今年もジュニア五行歌の作品展示が始まった。「五行歌でふれあい実行委員会」(窪田園子委員長)の主催で20回目。
事業は同地区の学校、家庭、地域の3者連携事業で2002年にスタート。夏休みなどに子どもたちが創作し、保護者や教師などから成る実行委が選定する。今年は1671首が寄せられ、120首を展示した。
夏休みの思い出や家族関係、新型コロナ禍の学校生活など、子どもたちの等身大の思いが作品に現れており、道行く人々の目を楽しませている。「今年も力作揃い。子どもたちの思いを作品から汲み取って」と実行委。展示は3月30日まで。
![]() 掲示板を紹介する窪田さん(右)と商店街関係者ら
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