長引くコロナ禍で、多くの企業が経営の危機に面している。中でも飲食業や観光業へのダメージは顕著だ。業界で生き残るために求められる”新たなチャレンジ”。経営改革や事業転換に乗り出す企業や店舗、その姿に迫った。
小田急線片瀬江ノ島駅の目の前にある飲食店「道楽やねこん家」。店内には、ぬいぐるみや可愛らしい見た目のロボットがそこかしこに。「鉄腕アトム」がしゃべる声も聞こえてくる。
同店は2004年に「飲食を中心としたコミュニケーションスペース」として開店。客同士の交流を深めるイベントを定期的に開催しリピーターも多く、観光客や地元客に愛されている。
元々ロボットやぬいぐるみが好きという店主の金子智子さん。同店には、音が出たり、おしゃべりをしたり、オウム返しをする可愛らしい見た目の「コミュニケーションロボット」が自然と集まっていたという。
そんな店の雰囲気はそのままに、ギャラリースペースを設け、店舗の2階にはロボットやVRを体験できるシェアスペースを新設する計画。生活支援ロボットを展示する「ロボテラス」やメーカーなど企業と連携し、最先端のロボットやAI機器を取り入れ「見て、触れて、遊んで、学べる」コミニュケーションスペースとして生まれ変わる予定だ。
「コミュニケーションがとれる可愛いロボットが増えれば、店内が賑やかになって楽しくなるはず」と金子さん。昨年夏には自動配膳ロボット「LANKY PORTER」の実証実験を実施。食事配膳を始め、ダンスや歌のパフォーマンスもできる優れもので、来店客からの反応も良かったという。
コロナ禍でインバウンドや高齢層の客は激減し、売上も減少。経営維持に試行錯誤する中、事業再構築補助金を利用し、新たな一歩を踏み出した。金子さんは「コロナが”追い風”となって、開店当初からやりたかったことに挑戦できている。時代に合ったロボットを取り入れて、より多くのお客様の笑顔が見られれば」と話した。
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