新型コロナウイルスワクチンの3回目接種が全国的に遅れている。藤沢市も20日現在で19・01%と県平均(13・40%)を上回るものの伸び悩む。一方、オミクロン株による感染拡大に歯止めがかからない中、感染者は重症化リスクのある高齢者層にも拡大し、医療体制にも影響が出始めた。3回目接種の有用性について、藤沢市医師会理事の鈴木勇三医師に聞いた。
――3回目のワクチン接種が伸び悩んでいる。
「オミクロン株は感染力が強い一方、デルタ株と比べると重症化しにくいとされる。ワクチンを接種しなければという市民のマインドが1、2回目よりも少ない印象だ。ただ、3回目接種は特に高齢者にはくまなく受けてもらいたい」
――理由は。
「感染が重症化リスクの高い高齢者層にも広がっているからだ。高齢者は基礎疾患を抱えていることが多い。デルタ株のように直接肺炎になりにくくとも、基礎疾患にひもづく諸症状を悪化させる可能性がある。また入院が必要になればその分、病床を含む医療資源が割かれることになり、本来必要な治療や救急医療に影響が出ることが懸念される。実際、市内の医療現場もかなりひっ迫してきている状況だ。自宅療養者へのサポート体制も一部見直さざるを得なくなった」
――3回目接種の有用性について。
「免疫には体内に入ってきた異物を攻撃する『細胞性免疫』と抗体を作る『液性免疫』があり、現在流通している『mRNAワクチン』は両方を誘導できる優れものだ。これまでの不活化ワクチンは液性免疫のみだった。オミクロンが重症化しにくいのはmRNAが細胞性免疫を誘導できることに起因するが、感染防止の観点では2回では足りない。逆に追加接種をすればオミクロン感染は4分の1に低減できるというデータもある。自らの命を守るだけでなく、医療のひっ迫を予防できる」
――ファイザー社製とモデルナ社製の違いは。
「mRNAワクチンはmRNA量に比例して抗体価が上がる。モデルナ社製はファイザー社製よりも倍程度多く注入するため、その分抗体価が上がり、副反応も強い傾向がある。ただ、3回目は半量になることに加え、高齢者はそもそも副反応が少ない。むしろ高齢者が抗体を早く、強く上げるためにはモデルナが有効だ。集団接種が利用できる状況にある。いち早くモデルナ社製ワクチンを接種してもらいたい」
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