世間の騒がしさはどこ吹く風と、変わらず芽吹く道端の花や植物たち。その強さと優しさを、かわいらしく、どこか温かみのあるタッチで表現し続ける絵本作家・佐々木貴行さん(44)=鵠沼桜が岡出身。「コロナ禍が始まった瞬間、世界の時間が止まったように感じた」。外出する人がなく静かな青空、リモート業務が終わり買い出しに行く途中で、足元の植物に励まされた。「元気をもらった。ここ2年間で描きためた作品を発表したい」と強く思い、2年ぶりの個展を開く。
幼少期は鵠沼のはす池などの自然を走り回って遊んだ。その時から大好きなのは「水辺の世界」と「怪獣」のモチーフ。東京工芸大在学中に、スタイルを確立させようと必死でもがいた時にも自身を支えた。そこで「河童」をはじめとした、現在も創作活動の根底にある、水辺の生き物のモチーフにたどり着いた。
2008年、少年時代に見た江の島の花火の思い出をつづった絵本『花火の夜に』で、第7回ART-BOX絵本新人賞を受賞し、作家活動の足掛かりに。デザイナーなどを経て、現在はデザインの専門学校で講師を務めながら創作を続ける。
恩師と作った新作絵本も
個展では約30点を展示。また新作絵本『ポップコーンのひみつ』(春潭書院・2200円)の販売と原画展示も行う。出身校の湘南学園時代の恩師・高橋慎司さん(現湘南学園小学校教員)の物語にユーモラスな絵を添えた。「子どもたちに色々なことに興味を持ってもらえるように心掛ける。絵を描くことが楽しくてたまらない世の中を作っていきたい」と花開くように笑った。
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