江戸時代の浮世絵師、歌川国貞と歌川広重の作品を並べて比較する企画展が、辻堂神台の藤澤浮世絵館で始まった。「美人東海道の風景にみる国貞と広重のつながり」と銘打ち、国貞の「東海道五十三次之内」(通称:美人東海道)と広重の「東海道五拾三次之内」(通称:保永堂版東海道)を合わせて展示。人気絵師の構図の妙と表現の魅力をひもとく。6月26日まで。
◇
国貞と広重は、ともに1800年頃に活躍。構図が類似している理由は、当時売れっ子浮世絵師だった国貞に、同じく売れ筋だった広重の「保永堂版東海道」に目を付けた版元が、真似て描くよう依頼したことがきっかけと考えられている。
美人東海道一堂に
「東海道五十三次之内 沼津図」と「東海道五拾三次之内 沼津 黄昏図」(復刻版)は作風は異なるが、構図に注目すると、夜の月や手前に流れる川、夜道を歩く人々という類似点を持つ。広重の横長の絵に対し、要素を凝縮し、コンパクトに描いたのが国貞の作品といわれる。
同展では構図の共通点だけでなく、2人の絵師による表現の違いにも注目。「江戸時代の出版業界を取り巻く浮世絵師たちの関係性から、作品からの引用や影響によって培われた豊かな絵画表現をぜひご観覧ください」と同館。
展示数は100点超。
関連企画で、5月15日(日)と6月11日(土)には学芸員による見どころ解説(各日午前11時と午後3時から30分・各回定員20人)などもある。
入館無料。開館は午前10時から午後7時(入館は午後6時30分まで)。月曜休館。
問い合わせは同館【電話】0466・33・0111。
|
|
<PR>
藤沢版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>