元海軍将校の邸宅、フリースペースに――。鵠沼橘に住む映画監督の谷光章さん(76)が、自宅の空き室を音楽演奏や美術展示ができる場所として一般開放を始めた。かつて文化人が多く住んだ土地柄から、新たな地域の文化拠点の創出を目指している。
江ノ電石上駅から徒歩3分。閑静な住宅街の中でも一際目を引く建物が見えてくる。ここが谷光さんの自宅兼、「SHONAN 喃(nan)の風」と名付けたフリースペースだ。
赤い三角屋根と白い板壁の木造2階建て。昭和初期にブームを集めた、日本家屋に洋風建築の特徴を取り入れた和洋折衷の「文化住宅」の様式だ。アールデコ調の照明やすりガラス入りの窓、チョコレート色に光る木の廊下など、いわゆる「昭和レトロ」な意匠が目を引く。
昨年、母を弔った谷光さん。荷物を片付け、空いた部屋を活用できないかと考えた。丁度、縁戚の生け花作家・中川幸夫氏の没後10年回顧展の話が持ち上がり、そのスペースを使うことに。ひと月の会期中に沖縄など全国から200人以上が来場。「展示に似合う室内の雰囲気も素敵」などと好評を博し、それまで感じてこなかった家の魅力に気付かされた。「演奏会、ギャラリー、カルチャー教室、利用方法はなんでもいい。気楽に集まっておしゃべりできるような、地域に溶け込んだ場所に」と思い描く。
貸出は10畳の応接室と8畳と6畳の2部屋、2階(10畳)の計4部屋。応接室にはプロジェクター用スクリーンも設置。芝生の庭も利用できる。料金は応相談。問い合わせは【携帯電話】090・3802・2760。
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