藤沢市は10月から市内認可保育施設の一部で、日常的にたんの吸引や人工呼吸器などが必要な「医療的ケア児」の受け入れを開始する。受け入れ施設は辻堂保育園、しぶやがはら保育園、藤が岡保育園の3園。現在同課では、10月入所に向けた相談や見学を受け付けている。
厚生労働省によると、医療的ケア児の人数は年々増加しており、2019年には2万人を超え、過去10年間で約2倍になっている。一方で、医療行為は家族や資格保持者などに限られていることから、これまで全国的に保育や教育現場での受け入れが遅れている現状があった。
国は16年に児童福祉法を改正し、21年9月には医療的ケア児支援法を施行。以降、全国的に受け入れ体制の整備が進んでいる。
学校受入から10年越しに
藤沢市では11年に公立小・中学校の看護師配置事業を開始し、全国でもいち早く教育現場での医療的ケア児の受け入れに着手。しかし、保育施設では、市民からの相談が寄せられていた一方、待機児童対策の切迫や保育士不足などを背景に受入れが遅れていた。
医療的ケア児の受け入れの課題の一つが、医療行為を行える看護師の確保だ。藤沢市では今回、訪問看護ステーションと契約し、事前にスケジュールの調整を行った上で、必要な園へ看護師を派遣することで受け入れ対応を行う。
対象は、集団での生活が可能で、保護者の就労などで保育を必要とする2歳児クラス以上の子ども。入園に際しては、市保育課に事前に相談の上、医療関係者、保育施設関係者などから構成される専門会議での検討を行った上で可否を通知する。
市保育課は「教育、保育の連携も強めながら、誰にとっても子育てしやすいまちづくりを進めたい」と話した。
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