地域で発掘された考古学品や寄贈された民俗品などを管理・収蔵する「文化財収蔵庫」を巡り、藤沢市は市内4施設の老朽化と飽和状態を受け、石川に新倉庫を整備し、集約する計画を進めている。第3次公共施設再整備事業に位置付け、2025年4月の供用開始を目指す。
市では、北部区画整理で見付かった縄文時代の深鉢型土器など市内で発掘された文化財や、宿場として発展した商家の調度品など市民から寄贈された民俗品などを収蔵庫に保存し、調査・管理に取り組んでいる。
市内にある4カ所の収蔵施設のうち、市まちづくり協会ビル内収蔵庫を除く「第1収蔵庫(旧善行学校給食合同調理場)」(石川)、「第2収蔵庫(旧北部学校給食合同調理場)」(亀井野)、「御所見収蔵庫(旧御所見市民センター)」(打戻)の3カ所は築50年近くが経ち、老朽化が進んだ状態に。本来文化財品の収蔵用の施設ではないことや収蔵状況が飽和気味なことなども課題となっていた。
収蔵品の効率的な整理と適正な保管を目的に、市は昨年9月に策定した「第3次公共施設再整備プラン」に文化財収蔵庫整備事業を位置づけ、総事業費を約7億7514万円と試算した。
あずま保育園跡地に
新施設は第1収蔵庫と、隣接する旧あずま保育園を解体し、その跡地に鉄骨造の2階建てで整備予定。工事は民間に委託し、リースによる賃貸を想定している。
21年から5年をかけ解体・建設工事や収蔵品移動などを行い、25年4月の供用開始を目指す。
今年度は第1収蔵庫と旧あずま保育園の解体撤去を実施予定。また、それに伴い7月中旬から下旬にかけて、同施設に収蔵されていた考古品4500箱を旧南図書館へ、民俗品7600点を旧村岡保育園へ移動させた。
市郷土歴史課は「これまではどこに何があるか調べるのも一苦労だった。限られた人員の中でより効率的に作業が進めば」と話す。
2018年に一部改正された文化財保護法で、保存する資料の活用が推奨されるようになったことを受け「次の世代へ、昔の人が紡いできた藤沢市の歴史に関心を持ってもらえる新たな機会も生み出したい」と期待を寄せた。
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