安倍晋三元首相の国葬が執り行われた27日、藤沢市では市役所本庁舎と分庁舎2カ所に弔意を示す半旗を掲揚した。記帳台や献花台の設置はなく、職員の黙とうなども実施しなかった。国葬の是非を巡っては全国的な賛否が分かれたが、市は「国や県の動向を注視し、最終的に半旗掲揚のみを行うことにした」と説明している。
市は国葬当日の午前8時30分から午後5時15分まで半旗を掲揚。本庁舎の敷地内のみにしぼり、市内13地区にある公民館や市民センターでは実施しなかった。
国は自治体に対して弔意の要請をしておらず、県は県庁舎に半旗を掲揚。近隣市では鎌倉市が掲揚した一方、茅ヶ崎市では掲揚しないなど自治体の判断が分かれた。
首相経験者の国葬は戦後2例目で、吉田茂元首相以来55年ぶり。市には前回の記録が残っておらず、半旗掲揚の規則も設けていないため、前日に鈴木恒夫市長が掲揚することを決めたという。
基礎自治体が弔意を示したことで、市民に弔意を促すことにつながらないかとの本紙取材に市秘書課は「そう捉えられないよう必要最小限に留めた」と説明。「市民に弔意を強制する意図はない」と明確に否定した。
強行許されぬ駅前で反対集会
一方、国葬が執り行われた午後2時に合わせ、藤沢駅北口のサンパール広場では、国葬に抗議する市民らが集会を開いた。約60人が集結し、「国葬反対」のプラカードを掲げ、「憲法違反をするな」「弔意の強制をしないで」と訴えた。
呼び掛け人の一人、塚本和則さんは国葬の実施について「閣議決定で強行し予算の説明もない。法の下の平等や内心の自由を保障する憲法に違反する行為だ」と憤る。
花の木在住の50代女性は知り合いから集会のことを聞き参加を決めた。「安倍元首相に関する疑惑は解明されておらず、世論も反対が大勢。静岡では水害に見舞われている」と実施を疑問視。3人の子を育てる親としても「国の将来が不安。到底納得できない」と怒りをあらわにした。
参加者らは30分間、交替でスピーチした後、プラカードを掲げて行進。市役所前で「国葬反対」と声を上げた。
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