昭和レトロな宿泊体験いかが――。築53年の空き家状態だったアパートを改装したコミュニティーホテルが昨年11月、片瀬にオープンした。将来的な人口減で空き家が増加する中、地域課題の解決を図るとともに、コロナ禍で機会が減った仕事仲間や友人同士の共同体験の場を創出しようと、片瀬に本社を置くビジョナリー(株)代表取締役の野村輝法さん(49)が新たな命を吹き込んだ。その名も「ホテル江ノ島アパートメント」。
国道467号線、湘南海岸駅から6分ほど歩くと白い外壁のアパートが見えてくる。室内は昭和の趣きを残しながらも、手入れが行き届いた空間が宿泊客を迎え入れる。
同ホテル以外にも2カ所で遊休不動産を活用した宿泊施設を運営する野村さん。元々は2021年に江の島で開催された東京五輪セーリング競技に出場する海外選手の滞在先として改装に着手。実際に五輪で使われることはなかったが、新型コロナ禍でも経済活動が再開され始めた昨夏のプレオープンを経て、11月下旬に正式に開業した。
部屋は全10室。約40平方メートルの室内には寝室やキッチン、トイレ、風呂を備えており、最大6人まで宿泊できる。好きな時間に料理して食事をしたり、海まで出かけたり。元アパートという特性を生かして「暮らすように滞在できる」のが特徴だ。
「コロナ禍でオンラインが急速に普及し、一方でリアルな場での共同体験が重要性を増している」と野村さん。昨年のプレオープンでは週末は満室に、お盆期間は全室がフル稼働するなど、企業関係者やグループ客からのニーズの高さがうかがえた。
インバウンドも視野
かねて市内への観光需要と宿泊施設の供給が見合っていないと感じていた野村さん。同ホテルが「遊休不動産を観光資源として活用するモデルケースにもなるのでは」と期待する。
現在は一室を使ってセルフスタジオの準備も進めており、インバウンド(訪日外国人観光客)回復も視野にサーフィンやヨガなどの観光体験も充実させたい考えだ。「コンテンツを提供できる人や団体と連携しながら、より面白い場所にしていけたら」
宿泊は1人1泊6千円〜(繁忙期など異なる)。詳細は同社ホームページ【URL】https://visionary.co.jp/へ。
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