藤沢市が認定する「藤沢マイスター」(陶磁器製造)に選ばれた 飯田 浩丈さん 辻堂西海岸在住 57歳
陶芸と生きていく
○…陶磁器作りの魅力を後世へ。この道22年、拠点の「赤羽根陶芸倶楽部」(茅ヶ崎市)を主宰し、電動ろくろ体験の場を開き、自身も窯焼きで陶磁器製造を続けてきた。「地域の人、子どもたちに面白さや達成感を体験してほしい」。自身以外の12人の藤沢マイスターとのコラボにも意欲を見せ「ワイン製造や菓子、茶師など他業種の方と新たな『藤沢産』を生み出し発信したい」
○…振り返れば幼い頃、コマや自転車、ヨーヨーなど「回転する造形」に興味を引かれてきた。ひときわ熱中したのは小4から習った陶芸。手回しろくろをひたすら回して基礎を磨き、多摩美大に進むと彫刻にも興味を広げた。
○…その後、美大受験予備校講師に。生徒を指導し受験を見届け、10年続いた日々は慌ただしくも充実したが「自分が何をしたいのか考える暇もなくて」。そんな折、バイクの事故で両足骨折。4カ月の入院生活で自らを見つめ直し、自然と心の奥底にふつふつと燃え上がったのは「やっぱり陶芸をしたい」。それが答えだった。妻子ある中、35歳で一念発起し窯を持ち拠点を開いた。
○…現在は週3日、私立高校で非常勤講師として陶芸指導。「生徒が自らの手で完成させたものを自宅の食卓で使ってくれたり、親にほめられたとうれしそうに話してくれる。これが教えることの醍醐味なんだよ」と目を細める。人生で大切にしているのは体験と経験。陶磁器作りでもホテルやラーメン店、青山のギャラリーからオーダーを受ける際に、直接会い希望を丁寧に聞き取り、1点1点静的な印象の食器や土鍋を仕上げる。「売り込むのではなく、選んでもらえるように作る。簡単じゃないけれど、技術って時間、経験の積み重ねなんだ」
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