「あって良かった、なくては困る商工会議所に」。社会活動が再開されつつも、未だ窮状から脱し切れていない中小企業に手を差し伸べ続ける藤沢商工会議所。本紙では、昨秋、三期目の就任を果たした増田隆之会頭にインタビュー。増田会頭は「寄り添う支援」の強化を打ち出すとともに、今年を「この先50年の藤沢市を占う年」などと話した。
――コロナ禍の中、社会活動の再開もありました。昨年1年の状況をどうとらえていますか。
「現在は再び感染者数が高止まりするなど油断できない状況ですが、少しずつウィズコロナの時代が来たと感じました。しかし、ロシアのウクライナ侵攻が冷や水を浴びせてしまった。燃料費の高騰を始め、さまざまな物価高につながり、事業者を苦しめてしまいました。予見できない外因が重なる厳しい1年だったと思います」
――とは言え、本格的なイベントの開催など、まちの活性化に向けた動きが見られましたが。
「読めない世界規模の大きな外因に関しては、我々にできることはほとんどありません。しかし、まちを活気づけ、勇気づけ、明るくすることで、事業者はもちろん、市民の皆さんに貢献することはできます。そのためのイベントはやっていこうと決めていました。産業フェスタ、遊行の盆、市民まつり、ワインまつりなど、感染拡大を防ぐため、関係した皆さんが知恵を出し合いながら新たな形で開催できたのではと思います。やはり、市民の皆さんが活き活きと楽しんでいる姿を見ると、またがんばろうという気持ちになる。イベントを皆さんと楽しむことはまちの力になると改めて実感しました」
――今年の注力のポイントは。
「コロナ禍に見舞われておよそ3年。事業者の皆さんの苦しい実情にしっかりと寄り添いながら改善を目指す『伴走型』の相談支援は一層、力を入れて参ります。そして地域の事業者の皆さんの窮状を行政に訴えていくことにも注力していきます。
相談では、これまでの期間、会員・非会員問わず相談に応じてきたことで職員は大きくレベルアップをしてきました。これからも成長を促し、より力強く、柔軟に、細やかに対応できるようにしていきます。そして市に対しては、会議所に寄せられた生の声を伝え、施策に生かしてもらえるよう要望、提言をして参ります。加えて今年もイベントは実施予定です。若い方々の意見を積極的に聞きながらまちを元気づけ、機運を盛り上げられるよう進めていきます」
――今年の藤沢市の展望は。
「短期的なことはまだ不透明感がありますが、それ以上に長期的にまちづくりの方向性が見えてくる大切な年ととらえています。計画としては、市民会館を含めた藤沢駅南口の再開発、鎌倉市とともに進める村岡新駅周辺の新たなまちづくり、また、北部湘南台駅からの相鉄いずみの線延伸などがあります。
研究開発拠点の形成を目指す村岡新駅周辺のまちづくりは、世界に誇れる内容となる可能性もあり、南口では、周辺の老朽化したビルの建て替えも想定した広い範囲でのにぎわい創出、そしていずみ野線延伸は北部地域発展の大きな要素と各々魅力的です。これらがどう進むのか。商業都市として成長を続けてきた藤沢の、この先50年を占う1年として注目するとともに、商工会議所としても積極的にまちづくりのお手伝いをしていきたいと思います」
――その先の未来に向けてのお考えをお聞かせください。
「これから事業を起こそうと考える若い人たち、このまちで育っていく子どもたちのため、広い視野で物事を進める必要があります。すでに観光では鎌倉市とともに、また昨年誕生したプロバスケットボールチームの支援では、茅ヶ崎、寒川とともに2市1町で連携して事業に取り組んでいます。わがまちが潤えばいいという発想を超えて協力し、未来の人たちが誇れる良いまちにしていきたいと思います」
――市民へのメッセージをお願いします。
「あって良かった、なくては困る商工会議所として、今年も経営上の悩み、まちづくりに関してなど、どんなことにでも耳を傾けていきます。またイベントを通して人をつなぐなど、まちを活気づける1年としていきます」
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