民間運営、公営の受け皿に
今春、遠藤に研究開発やものづくり拠点となるインキュベーション(起業家育成)施設が新たに誕生する。その名も「湘南藤沢インキュベーションLABO」。運営するのは、南藤沢に本社を置く不動産業の(株)セットだ。民間事業者が手掛け、製造業などものづくり関連に特化した施設は全国でも珍しいという。
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鉄骨造2階建て、延べ床面積は約860平方メートル。部屋は全18室。ものづくり関連の事業者の入居を想定し、製造などに要する機材や設備が搬入できるよう、天井を高くし床の耐圧荷重も1平方メートルあたり1t(2階は500kg)に整備した。非常勤ながら事業者をサポートするインキュベーションマネジャー(IM)の支援も受けられる。
開設の狙いは、公的施設の入居期限が過ぎた事業者の受け入れだ。製造業向けには同じ遠藤に独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する「慶應藤沢イノベーションビレッジ」(SFC-IV)があるが、入居は原則5年と定められており、期限が切れれば退去しなくてはならない。
「研究開発の場合、5年で結果が出るとは限らず、逆に出ていった後に成果が出る場合もある。また製造業の場合、起業に要する初期投資が大きい」と同社の鈴木良隆さん。息の長い支援があれば花開く事業もあるはず。そこで鈴木さんは事業者が退去後、起業か断念かの2択ではなく、起業につながる次のステップとして入居期限のないポストインキュベーション施設を考案した。
5月下旬のオープンを前に工事は進んでおり、すでに6社の入居が決定。受け皿としてのニーズを実感している。
2018年から市内にシェアオフィス「me―labo(ミラボ)」を展開してきた同社。昨夏に3施設目となるオフィスをオープンし、職種を超えた事業者らが夢を語り合う場の提供など、起業や新規事業を望む人への支援に力を注ぐ。
起業を後押しし、事業者が新社屋やオフィスを構えれば将来的な不動産業としての収益が見込める。産業創出は、地域経済の発展にもなる。その先に―。青写真に思いを巡らすと、胸が弾んだ。
「ここから世界を目指す企業が出てきたらかっこいいじゃないですか」
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