藤沢市内に生息するクマゼミの生態を、2010年から10年にわたり調査してきた「藤沢クマゼミ調査研究会」(大谷房江会長)が3日、「めずらしい写真がいっぱい セミのおくりもの」を出版した。
同研究会の会員が撮影した写真によるクマゼミの生殖から飛び立つまでの記録のほか、市内のぬけがら分布図や、セミと人の関わりが言葉や食文化という視点から紹介されている。
それまで「大磯から東にはいない」といわれてきたクマゼミのぬけがらが、10年に県立辻堂海浜公園で210個発見されたのを機に結成した同研究会。20年以降コロナ禍の影響で調査活動を休止していたが、約2年をかけ研究成果を本にまとめた。会員の菊池久登さんは「編集は勉強になった」と語り、「セミのことなら全部わかる本を作ることができた」と自信をにじませた。
現在、横浜や東京、福島などにも生息が確認されるクマゼミだが、この本によって藤沢が研究の「東の最前線」と認められることが期待される。会員の馬谷原武之さんは「この本のように、まずは各地で基本となるデータを取ることが大事。それから変化の記録を継続的に調査できる」と話し、藤沢の自然史研究を発展させるきっかけにしていきたいとした。
これまでの活動を振り返り、大谷会長は「1人では続かなかった。仲間がいたからここまで来れた」と話す。同会の今後については未定だが、「これからは若い人もぜひ藤沢の自然を研究してみてほしい。私たちも協力していきたい」と展望を述べた。
B5判、138ページ。8月1日(火)から湘南台文化センターこども館で1冊1500円(税込・部数限定)で販売するほか、市内学校や公共機関に寄贈予定。
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