通園バスに子どもが置き去りにされないよう防止する安全装置の設置が、藤沢市内の幼稚園でも急ピッチで進んでいる。タウンニュース社の調べでは、通園バスを運行する24園のうち、設置が27日までに済んでいると答えたのは15園。未設置の園もほとんどが注文済みで近く設置する予定と回答した。車内の温度が上がりやすい夏本番を控え、各園が降車時の確認徹底に取り組んでいる。
「車内点検を行ってください。子どもは残っていませんか。シート下の確認をしてください」
20日、亀井野の藤沢いずみ幼稚園に到着した通園バスの車内にアラートが鳴り響いた。
同園では4月1日に安全装置を導入。一つは運転手や職員が車内点検するよう促す「降車時確認式」のブザーで、エンジンを切ると警報音が鳴り、最後列に取り付けられたスイッチを切ると音声が止まる仕組みだ。
もう一つが万が一車内に置き去りになった場合に園児が助けを求める「SOSボタン」。押すと外部に取り付けられたスピーカーから警報が流れる。
同園では園児166人中、71人が通園バスを利用。装置設置前から出欠席の名簿と園児の突き合わせ、降車時の運転手と同乗職員による目視確認、「朝の会」での点呼などを徹底してきた。さらに独自策として降車確認する職員を1人増員。確認する「目」を増やすことで安全管理に努めているという。神崎洋輔園長は装置導入の意義について「万全を期しているが、それでもヒューマンエラーは起こり得る。子どもたちの命を守る確度を高めることになると思う」と話す。
県内では5割程度
通園バスを巡っては昨年9月、静岡県牧之原市で3歳の女児がバスに取り残されて死亡する事件が発生。政府は安全対策の強化に乗り出し、バスに設置する安全装置の購入費用などを補助する方針を打ち出した。
同事業の助成を所管する県によると、県内で通園バスを運行する私学幼稚園と私学認定こども園は計468園。うち申請があったのは230園程度にとどまる。
政府は今月末までの設置を努力目標、来年3月末までの設置を義務付けており、県担当者は「安全装置はヒューマンエラーを補完する手段として有効。補助金を活用し設置を進めていただきたい」と話している。
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