タウンニュース社はこのほど、神奈川県内33市町村に対し、非正規公務員に関するアンケート調査を実施した。非正規職員(会計年度任用職員)は約3万3千人で、正規職員(常勤職員)の約8万2千人(4月1日現在)と合わせた数の28・9%を占める。また会計年度任用職員の8割は女性だった。住民サービスを支える基礎自治体の運営に会計年度任用職員が欠かせなくなっていることや、制度による待遇格差が女性に寄っている実態が浮き彫りになった。
会計年度任用職員制度は、非正規職員の待遇改善を目的に2020年4月に始まった。会計年度任用職員は非正規だが、公務員法で非常勤の地方公務員と定められ、ボーナスの支給やフルタイムであれば退職金の支給対象にもなる。ただ、働く期間が1年ごとに区切られ雇用が不安定であることや、同じ業務でも正規職員に比べて給与水準が低いなど待遇格差が社会課題となっている。
藤沢市は32・8%
自治体別の非正規職員割合は、最も低かったのが横浜市の13・7%(学校現場を除く)。川崎市が19・1%と続いた。50%超は9自治体あり、逗子市と南足柄市を除く7つが町村(愛川、清川、大磯、大井、松田、開成、中井)の小規模自治体だった。藤沢市は32・8%だった。
男女比率(集計が無い横浜市を除く)は、常勤職員が男性58・7%、女性41・3%で、大きな差はないが、非正規職員は女性割合が79・9%で男性の約4倍に上ることが分かった。
給与(月給)については比較可能な17自治体で調べたところ、常勤職員(一般職)は平均約30万7千円(手当を含まない)。これに対し、会計年度任用職員は平均約21万9千円で常勤職員を3割近く下回っていることが明らかになった(金額は1月1日現在)。
効果と課題
アンケートでは、会計年度任用職員の効果と課題についても尋ねた(5つの選択肢から複数回答可※表参照)。
効果では「雇用の確保」が18、「特定分野における専門性の維持」が17と多く、人手不足や多様化する職務の中で、非正規職員を重要な戦力としてとらえている傾向が見える。続いて「定員を抑制した機動的行政運営」は9、「財政負担の軽減」は8だった。
課題では「人材の確保」が21、「単年度契約による雇用の不安定さ」が10、「正規職員との待遇格差」は6、「市民サービス低下の可能性」は1。「その他」では、短期間雇用による人材育成の難しさや、労務管理の増大、事務の増加・煩雑化などがあった。
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