観光や宿泊、交通事業者、市などで構成する「湘南藤沢活性化コンソーシアム」が、鉄道駅と観光地をつなぐ「ラストワンマイル」の移動手段として、江の島周辺を走るシャトルバスの運行を検討していることがこのほど分かった。観光客の利便性を向上させ、集客力の強化を図る。道交法などのハードルはあるが、特区制度の活用も視野に実現にこぎつけたい考えだ。
同コンソーシアムは昨年7月の発足以降、ポストコロナや人口減などの社会課題を見据えた新たな観光のあり方について検討を重ねている。
江の島周辺には鉄道とモノレールの3線があり、島内までは商店街や江の島大橋(324m)を徒歩で渡るのがほとんど。島に至る行程が観光気分や非日常感を演出する一方、島内関係者にとって観光客が島内に足を運ぶまでのアクセスが「永遠の課題だった」という。
また島内には駐車場が3カ所あるが、週末を中心に渋滞が慢性化。近年はシェアサイクルも普及しつつあるが、島内のスペースにも限界がある。
そこで着目したのが、小回りが効くシャトルバスの運行だ。新江ノ島水族館など周辺の観光スポットと結ぶ路線であれば現行の路線バスよりも渋滞の影響を受けにくく、エリア一帯で観光の魅力を高めることにつながる。また関係者は「『パーク&バスライド』による脱炭素化の推進は時宜にも叶う」と意義を説明する。
そこで同コンソーシアムでは停留所の設置や運行経路など導入の具体化に向けた検討に着手。幅員不足や道交法の適用除外など「それなりの整備が必要になる」ことが分かった。
江の島周辺では東京五輪前に自動運転バスの実証実験が行われていた経緯もある。同コンソーシアムには路線バスを運行する江ノ島電鉄や、7月には県湘南地域県政総合センターが加盟。県は海岸や江の島大橋を管理しており、「実現にはコンソーシアムに加盟する組織のさらなる連携が必要」という。
同コンソーシアムの二見将幸会長は「駅からのアクセスが良くなれば高齢のお客様が足を運びやすく、天候の影響も受けにくい。課題解決に向け、ぜひシャトルバスの導入を実現させたい」と話した。
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