子どもが将来に渡って幸せに生きることができる社会を実現するため、藤沢市は「(仮称)市こどもの『いま』と『みらい』応援基金」を創設する。市にはこれまで子ども全般を対象にした基金がなく、新たに支援の受け皿を整えることで居場所の充実や市民団体の活動支援などに役立てる。今後パブリックコメント(市民意見募集)などを経て年内の創設を目指す。
基金の創設を巡っては4月、全ての子どもが幸福な生活を送れるようにするとの理念を定めた「こども基本法」が施行。同法では、子どもに関する政策を決める際、当事者らの意見を聞くことを国と地方自治体に義務付ける。新たな子ども施策を実施する財源の一つとして、市は基金の創設を決めた。
市が8日、市議会常任委員会で示した資料によると、活用する対象として▽こどもの生活、居場所などを充実させる事業▽支援を行う地域団体などの円滑な事業実施に資する事業▽子どもの発案や企画に基づき子どもが市と協働して実施する事業―などを想定。基金の名称はパブリックコメントや子どもの意見を聞いた上で決定するという。
市子育て企画課によると、市には子どもに関連する基金として奨学金や学校の施設整備に活用する「教育応援基金」があるが、子ども全般を対象にした基金がなかった。例えば寄付を希望する人が「子ども食堂や経済的に困っている人に役立ててほしい」といった場合、該当する基金がなく別の基金などを案内するしかないのが現状という。また、ふるさと納税でも受け皿が整っていなかった。
基金を活用した具体的な事業は寄付者や子どもらの意見を踏まえた上で今後検討する。同課の担当者は「子どもに特化した支援をしたいという一定の申し出はある。支えたい人の思いをしっかりと受け止め、活用していくことが必要だ」と基金の必要性を説明する。
基金を規定する条例(素案)についてのパブリックコメントは10月19日まで。市はふじさわ市民まつりで寄せられた意見などと合わせて集約し、市議会12月定例会で条例案を提案。年内をめどに基金の創設を目指す考え。
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