ロシアの侵攻を受けるウクライナからバスケットボールプロリーグでの活躍を目指し、海を渡った選手がいる。オレクサンドル・アンティボ選手(28)。6日に開幕する2023-24シーズンから藤沢、茅ケ崎、寒川の2市1町を拠点とする「湘南ユナイテッドBC」に加入する。
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戦禍のウクライナから来日したのは昨夏。避難民としてビザが認められ、妻と息子を連れ日本に渡った。ウクライナでは国内リーグでプレーし、U20の国代表に選ばれたこともある。
昨シーズンはB3リーグの「金沢武士団」(石川県)に所属。同郷の2選手とともにコートを駆け、リーグ4位の得点力(平均22・2点)でチームの躍進に貢献した。
東部ドネツク州の出身。戦争が激化し、プレーする場を失っていたところ日本のチームからオファーが届いた。
「日本のリーグには元々興味があって」。戦争の脅威も迫っていた。プレーを続けながら上を目指すには母国を離れることが最善と判断した。
ただ、離れ離れになった家族の安否が気にかかる。遠いふるさとにいる両親や友人を案じる日々。毎日のように故郷にいる両親への連絡を欠かさない。「知り合いや友達で空襲の被害に遭った人もいる。ミサイルアラートがあれば寝ることもままならない」。母国にいる同志への窮状に胸を痛める。
昨シーズンリーグ初参戦の湘南BCは下位に沈み、2年目の今シーズンは再起に向けてチームを刷新した。203cmの長身とリーグ屈指の得点力。チームが浮上するためのキーマンとしての期待が自身にもかかっている。
「毎試合全力を出して、その先にプレーオフへの進出を目指せたら」。やるべきことはシンプルだ。同時にこうも思う。「自分がプレーすることでウクライナに関心を持つ人が増え、寄付などの支援につながるかもしれない。母国への支援もプレーを通じてできることをやっていきたい」
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今シーズンのホーム開幕戦は10月6・7日、秋葉台文化体育館で香川ファイブアローズと対戦する。詳細は公式サイトへ。
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