約260年間にわたって江戸幕府を築いた徳川家と時宗総本山遊行寺(西富)のゆかりをひもとく特別展「徳川と遊行寺」が同寺境内にある遊行寺宝物館で始まった。同寺に秘伝されてきた系図や歴史書など、初公開31点を含む貴重な資料計72点を展示。知られざる歴史の裏舞台の一端を解き明かしている。12月18日(月)まで。
再来年開山700年を迎え、中世には絶大な権威を誇ったとされる同寺。同館によると徳川家康が江戸に拠点を置いた直後の天正19(1591)年、同寺に寺領として百石を寄進。以後、歴代遊行上人に「馬五十疋(匹)」の伝馬朱印状を与え、以後も多額の寄進や伽藍を建立するなど、両者の強いつながりは幕末まで続いたという。
その関係性を物語る代表的なものが、同寺境内の一角にある「宇賀神社」だ。同神社は遊行12代尊観上人のもとで出家し、後に三河国(現在の愛知県)で還俗した松平有親(徳阿弥)が建立している。
この有親から数えて9代目にあたるのが徳川家康だ。同寺に秘伝されてきた資料のうち、家康の没後に書かれた「三河平井記」には徳川家に関するさまざまな出来事が記載されているという。
同展では、初公開となる「三河平井記」を始め、「家康寄進状」「徳川家康二十将像」、3代将軍家光直筆の「柿本人麻呂像」などを展示。同館の遠山元浩館長は「遊行寺に伝わる徳川家由緒の貴重な資料を公開する。徳川家と遊行寺の関係性を改めて見直すきっかけになれば」と話している。
開館は土・日・月・祝日の午前10時から午後4時30分(入館は4時まで)。入館料600円、中学生以下300円。
問い合わせは同館【電話】0466・22・2063。
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