藤沢市内で課題となっている遊休農地の再生に向け、葛原で「湘南レモン」の栽培が始まった。手掛けるのは農作物の生産や直売所の運営を手掛ける(株)八〇八(やおや)(善行)。新たな名産品づくりも視野に同社の中越節生社長は「農地の再生と一石二鳥の地域活性を実現させたい」と意気込んでいる。
市農業委員会によると2022年度、市内で耕作されていない遊休農地は17万7千平方メートル。放置すると荒地になり、不法投棄の原因や害獣の餌場になるなど悪影響を及ぼすこともあるという。
同社は、遊休農地を活用して健康野菜として注目される菊芋を栽培しながら、独自商品を生み出すなど地域活性化を兼ねた事業を展開してきた。中越代表は、市観光名産品協会理事として活動する中、「藤沢産の素材を原材料とする、藤沢ならではの商品が少ないと感じていた」といい、レモン畑の事業をスタート。農薬、化学肥料、ワックスを使わないことにこだわって「湘南レモン」と名付けた。現在は1万平方メートルの土地を整え、インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF) も実施している。
レモンを選んだ理由は3つ。比較的開墾が容易であること、害虫、害獣に荒らされにくく育てやすいこと、活用の幅が広い食材であることだ。
農地再生で開墾は大きな負担となるが、果樹のレモンであれば多少木の根が残っていても植えられるため、負担が軽減できる。風に弱いという性質も、内陸の市北部では影響を受けにくく、名産品として根付きやすいと目論む。活用の幅広さでは「料理から飲み物、スイーツまでいろいろ。地元事業者さんに湘南レモンを使ったメニューを生み出してほしい」と、地域経済の活性化に期待を込める。
農園長の原悠樹さんは、慶応大学湘南藤沢キャンパスの研究員として植木やハーブなど緑による地域づくりを研究してきた経験から、「新たな農資源の誕生は障害者雇用や畜産との連携などの新たな可能性がある」と話す。
苗木オーナー追加募集
同社では大手CFの「CAMPFIRE」で出資を募っている。苗木オーナーの募集は定員となっているが、今後追加募集をする予定だ。
「1本で1年目には10個程度、2、3年で50個。それ以降数百個とれることもある。40年、50年生きる木なので、ぜひオーナーになってもらいたい」と中越代表は呼び掛けている。詳細は同サイトへ。
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