先月、湘南台駅周辺で先月行われた華やかなイベントパレードでひと際目を引く存在があった。一見自動車かバイクのようだが、4輪で人力、2人乗りもある「謎の車両」だ。主催者に話を聞くと「新しい観光の足」とのこと。作ったのは地元湘南工科大学の教授と学生だ。
開発チームのリーダーを務める同大学工学部機械工学科の野中誉子教授によると、パレードで走っていたのは「電動アシストがついた四輪の自転車」。山梨県北杜市から観光の足として依頼を受けて製作した同大学のオリジナルモデルだ。
開発のきっかけは同大学教員と同市の知人の縁。八ヶ岳山麓に点在する縄文遺跡群を巡る観光ツアーで使う環境に優しい乗り物として2021年1月に依頼を受けた。
担当したのは、機械工学科と総合デザイン科の4研究室。免許を持たない外国人でも楽しめ、環境にも優しい自転車で、転倒の危険が少ない4輪、加えて「自分の力で移動する楽しさ」を兼ね備えた第1号モデルを22年3月に完成させた。
こだわったのは、運転のしやすさや軽量化、メンテナンスのしやすさ。デザインとの兼ね合いも重要で、学科同士の議論もあったよう。「大変でした」と野中教授は楽しそうに笑う。
現在、ツアー準備中の北杜市にも好評で「安全に楽しくゆったり楽しめるものが完成した」と職員は話した。
湘南モデルも登場
北杜市のモデルをベースに「湘南モデル」も作られた。ターゲットは20代から30代の女性。交通量の多い道路事情を考え、長さ190cm以内、幅60cm以内の普通自転車サイズに縮小し、色やデザインは学生らのアイデアを盛り込んだ。「レトロモダンをテーマに湘南の波をイメージした」とデザイン学科の宮田佳美助教。合わせて「新たな観光の足として使ってもらえれば」と話した。
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