藤沢、茅ヶ崎、寒川の2市1町から創業や中小企業の新規事業のプランを募り、優れた内容を表彰する湘南ビジネスコンテストの最終プレゼンが9日、藤沢商工会館で行われた。大賞には不耕起農業の普及で地球温暖化を防ぐプランを提案した(株)SOYSCREAMJAPAN(衣川晃社長)=茅ヶ崎市=が受賞した。
主催は(公財)湘南産業振興財団(増田隆之理事長)。24回目を数える今年のコンテストには、32件の応募があり、その内6組がファイナリストとして登壇した。
大賞を獲得した同社は「審査員一致」と高評価を獲得。審査委員長を務めた慶應義塾大学総合政策部の飯盛義徳教授は「社会課題解決とビジネスの両輪が融合した素晴らしいプラン。熱い思いも伝わった」と称賛。プレゼンを見ていた人たちの投票で決まる視聴者賞も受賞した。
同社のプランは、温暖化防止につながる畑を耕さない不耕起農業の参入希望者にコミュニティー事業を展開、栽培からオーガニックアイスクリーム「ソイクリーム」を作り販売するモデルを提供、支援するという内容だ。
通常の耕作では地中にある温室効果のある二酸化炭素(CO2)が排出され、整備にはCO2を吸収する森林伐採しなければならないこともある。不耕起ではこの2つのほか、温暖化につながる作業がないため、防止につながることとなる。
一方、トラクターなどが入れないことなどから、大量生産には不向きな面もある。そこで安定的な収入源として、消費者に直接届く付加価値の高いオリジナルアイスクリームの販売を考案。環境に優しい、オーガニックといった高付加価値商品を開発した。
「アイスには大きな市場があり、高級路線も定着。さらにどこでも生産可能。営農を続けるための収益源に適していると考えた」と衣川社長。すでに試食会も開いており、好評を得たという。衣川社長は「目指しているのは、世界規模での拡大」と力を込める。社名にJAPANと入れているのはそのためだ。
「地球規模の問題に対して不耕起栽培をする仲間になってもらうことはもちろん、それを応援するためにアイスを食べることだけでも参加できる。大きな活動につなげていきたい」と思いを語った。
今年は豊作 今後に期待感
今年のファイナリストは「レベルが高い」と関係者。飯盛委員長も「いずれも社会に貢献してくれる事業」と太鼓判を押していた。「これからが楽しみ」と期待感を示した。各賞の受賞者は以下の通り(敬称略)。
▽ビジネス準大賞・任意団体manisonias・ドローンと画像解析AIによる農業支援▽スタートアップ賞・こどもおりょうりラボ(株)・日本の食文化が学べる食育教材の定額制サービス▽審査員特別賞・パーキングサイエンス(株)・駐車場内事故ゼロをめざす自動運転サービス▽かながわ信用金庫賞・栗田絵梨・外国人旅行者の免税店以外の買い物に免税サービスを提供▽湘南信用金庫賞・(株)WEBMARKS・リスキリング特化型デジタル人材育成。
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