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藤沢版 公開:2023年11月24日 エリアトップへ

「鵠沼」鳥と沼地と字の歴史

社会

公開:2023年11月24日

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皇大神宮(上)、桜小路公園第1はす池
皇大神宮(上)、桜小路公園第1はす池

 藤沢市の南東部に位置する「鵠沼」は境川下流と引地川下流に挟まれている。古くから暴れ川として知られる境川は、17世紀に作成された「藤沢御殿絵図」からもわかる通り西に膨らんで蛇行しており、幾度も水害をもたらした。

 そうした中でできた沼地に、「クグイ」が生息していたことからこの地域が「くぐいぬま」と呼ばれたと、市発行の「藤沢の地名」に記されている。クグイは白鳥の古名とされ、日本で最初の漢和辞書である「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」には「大鳥也(おおとりなり)」と説明されている。

 クグイは「鵠」と書く。よく使用される「鵠」の字は「コク」と読み、本来は別の漢字だ。地名の表記としては常に揺れ続けていたが、鵠沼郷土資料室の内藤喜嗣さん(88)は「旧通産省が2000年にコンピューター上の字形を『鵠』と定め、『くげぬま=鵠沼』として広く認知されるようになった」と説明する。

 同地名が最初に文書に登場するのは、平安時代に書かれた「天養記」だ。「1145年に源義朝が、大庭御厨(みくりや)の一部だったこの地に侵攻したことが記されている」と内藤さん。大庭御厨の「総鎮守」だった鵠沼神明の皇大神宮・権禰宜の関根喜彦さん(42)は「伊勢神宮の神様に供える農作物を作っていた。人の歴史と自然の関わりがうかがえる」と話す。

 近代以降は閑静な住宅街として知られ、外からの移住も増加する。一方、「沼地にはたくさんのごみが埋められた」と語るのは、藤が谷で蓮池の自然保護に携わる団体関係者だ。「50年前は冷蔵庫やベッドも捨てられていた。関東大震災で倒壊した家屋の廃材なども投棄されていたのではないか」と推測する。

 現在は地域での清掃が行われ、「7年ほど前から、冬にサギを見かけるようになった」。自然と人が関わる鵠沼の歴史はこれからも続いていく。

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