藤沢市立小中学校における2022年度の不登校の児童生徒は、前の年度より118人多い988人で過去最多となった。市教育委員会が16日、不登校やいじめなどの状況に関する調査結果を教委定例会で報告した。全国では不登校の子どもが約29万9千人に達し、市内でも増加の一途をたどっている。
年度間に30日以上欠席した不登校者数の内訳は小学生が371人(前年度比45人増)、中学生が617人(同73人増)。主な要因としては「無気力、不安」が半数を超える550人と最も多く、次いで「生活リズムの乱れ、あそび、非行」が94人、「親子の関わり方」が65人と続く。「いじめを除く友人関係の問題」が60人である一方、「いじめ」は4人だった。
市教委は不登校の状況について「新型コロナの影響による生活環境の変化で交友関係を築くことが難しかったり、登校する意欲が湧きにくくなったことなどが考えられる」と分析。不登校の要因や背景が複雑化・多様化する中で「学校以外の場も含めて教育の機会を作ることが必要。学校や関係機関との連携を図り、児童生徒に対応していく」としている。
いじめの認知件数は、小学校が1265件(前年度比382件)、中学校が258件(同111件増)。合計は過去最多の1523件となった。市教委はこの背景について、いじめの定義に対する認識が広がったことや、コロナ対策で制限されていた学校活動が再開され児童生徒の接触機会が増えたことなどを挙げている。
学校が把握したいじめの態様では「冷やかし・からかい・悪口・脅し文句」が最多の791件、「軽い暴力」が278件、「仲間はずれ・集団による無視」が198件、「金品を隠す・盗む・壊す・捨てる」が95件。「パソコンや携帯電話による誹謗中傷」は小学校で47件、中学校で40件。また、解消したいじめも1255件(同365件増)あった。
暴力行為は減少
「対教師」「生徒間」「対人」「器物損壊」の 暴力行為は小学校で336件(同2件増)、中学校で78件(同12件減)の合計414件。小学校での「生徒間暴力」が259件(同22件減)と全体の約6割を占めた。
また、市教委は今年夏に児童生徒約3万3500人を対象に実施した学校生活に関するアンケート調査の結果も発表した。「学校は楽しい」「まあまあ楽しい」と回答した子どもは90%以上で、小中いずれも1年生の割合が最も多かった。
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