毎夏、片瀬西浜・鵠沼と片瀬東浜の両海水浴場の安全を最前線で守る「西浜サーフライフセービングクラブ」(西浜SLSC・篠岳瑠理事長=人物風土記で紹介)がこのほど創立60周年を迎えた。先月25日、市内で記念式典があり、メンバーや関係者180人が集結。日本初のライフガード組織としての歩みを振り返ったほか、人の命に向き合い、海の安全を守る決意を新たにした。
西浜SLSCは1963年、日本赤十字社の水上安全法救助員の有志が前身の団体を創立。95年に「西浜ライフセービングクラブ」として組織化し、2003年にNPO法人の認可取得を経て現在の体制となった。
活動の柱は海水浴場の監視と救助活動。毎夏、市や海水浴場組合と連携し、水難救助活動を担っている。またライフセービング競技への参加、ビーチクリーン、後進育成など通年で多岐にわたる活動を展開。現在400人を超える会員が所属し、国内最大規模の組織にまで成長した。
志ひとつに
パトロールにあたるメンバーは学生や社会人。年齢も20代から60代を中心に幅広い。それぞれが学業や仕事を抱える傍ら、活動に力を注ぐ。
30年来活動に携わる風間隆宏さん(49)は「人の命を守るという目的で浜に立てば年齢の垣根はない。皆この場所が好きで悲しいことを起こさせないために活動している」と説明する。社会人になってから始めた人も。立川市在住の田中彰さん(54)は40歳を過ぎて加入。毎週末、トレーニングに参加し、ライフセービングの技術を磨いているという。「人命救助の活動に駆られた。最初は家族を守りたくて」と動機を話す。
小学1年生から両親の影響で参加する浜地沙羅さん(18)は今年6月、スペインで開かれたライフセービング競技の世界大会に出場した。「ここは自分にとって第2の家」というほどメンバーには信頼を置いている。現在高校3年生で将来は教員を目指しているが「ライフセービングはどんな形であれ生涯続けたい」と笑顔を見せる。
篠理事長(46)は「これまでのメンバーの積み重ねがあって今がある。60年は第2のスタート。人のつながりと感謝を次の世代につなげていきたい」と今後を見据えた。
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