特定の場所や時間帯に観光客が集中する「オーバーツーリズム(観光公害)」の解消に向け、藤沢市はきょう12月1日から自治体マイナポイント事業と連携したデジタルスタンプラリーを実施する。関東三大イルミネーションに認定される「湘南の宝石」に合わせ、江の島を訪れる観光客をオフピークの日中に誘導し客足の平準化を図る。同事業を通じ、市は参加者を巻き込む「共創型」や「分散型」の観光を推進したい考えだ。(中面に関連記事)
「湘南の宝石」に合わせ1日から
デジタルスタンプラリーでは、マイナポータルとの連携機能を実装したアプリ「furari(フラリ)」を使用。江の島周辺に設置された複数のポイントに指定時間に赴くと最大2千ポイントが抽選で当たるほか、周辺にある飲食店や宿泊施設、土産物店で一定金額の買い物をするとイルミネーションの点灯権が当たるコースもある。
国の自治体マイナポイント事業はマイナンバーカード取得者に対して自治体がポイントを付与。市としては初の事業で、総額100万ポイント分を用意した。イベントは市外在住者も参加可能で、給付で個人情報を扱う作業が自動処理される「共通ID認証方式」を使った仕組みとしては国内初の事例という。
日中集客モデル化を
湘南の宝石は前身のライトアップから数えて25年目。昨シーズンは点灯期間中に50万人以上が訪れるなど、江の島のイベントでは最大の集客力を誇る。また、近年は1千基の灯籠が夏夜を彩る「江の島灯籠」など観光コンテンツが充実。夜間の集客が奏功している一方、観光客が特定の時間帯に集中していることが課題となっていた。
そのため、市などは4月から江の島サムエル・コッキング苑の入場料を無料(夜間イベント時除く)にするなど、日中の誘客に注力。今回のイベントはこうした流れを受けたもので、さらなる地域経済の活性化に波及させたい考えだ。
先月24日の会見で鈴木恒夫市長は「オーバーツーリズムも戦略的に平準化すれば観光振興につながる。メリットを生かしていく」と述べた。
イベント期間は来年2月29日まで。詳細は市観光公式ホームページへ。
シャトルバス無料運行江の島⇔片瀬江ノ島駅で8日間
湘南藤沢活性化コンソーシアム(二見将幸会長)は「湘南の宝石」開催期間中の12月2〜24日の土日(計8日間)に会場の江の島と片瀬江ノ島駅をむすぶ無料のシャトルバス=写真=を試験運行する。
観光客で賑わう週末の午後3時台から8時台に1時間あたり2往復の運行を予定。江の島では初の試みで、観光や交通、宿泊事業者や市などで構成する同コンソーシアムが鉄道駅と観光地をつなぐ「ラストワンマイル」の移動手段として実施を検討していた。今回の実証実験で江の島大橋の渋滞緩和や来訪者の利便性や回遊性などを検証する。詳細は江ノ島電鉄事業部【電話】0466・25・3525。
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