同性カップルなどを公的に認めるパートナーシップ宣誓/登録制度が2023年7月までに、神奈川県内全33市町村で導入されたことを受け、タウンニュース社はこのほど、市町村アンケートを実施した。その結果、制度の利用カップル総数は、返還者を含め747組(9月30日時点)で、半数近くの自治体が他市町村との制度の相互連携に課題があるとの認識を示していることなどが分かった。(中面に関連記事)
本紙市町村アンケート
同制度はLGBTQをはじめ、性的マイノリティーのカップルを自治体が独自に婚姻に相当する関係と認め、証明書などを発行するもの。異性の事実婚カップルを対象に含める自治体もある。
県内では2019年4月に小田原市、横須賀市で制度施行されたのを皮切りに、23年7月までに県内全市町村で整備。神奈川県は「別の形で支援、検討している」とし、導入していない。
市町村別の宣誓利用数のうち、最多は横浜市の372組。川崎市104組、藤沢市48組、横須賀市44組と続いた。
手術同意6自治体
制度の適用範囲(複数回答)を尋ねたところ「公営住宅への入居で同居親族要件を満たす」は33自治体、「要介護認定について家族による代理手続きと同様に申請を認める」は19自治体が回答。一方、公営病院での家族と同等の「手術の同意」対応は市立病院のある10自治体のうち、6自治体だった。導入する自治体でも「パートナーがキーパーソンだと認められれば対応する場合がある」(川崎市)、「状況に応じて対応」(厚木市)と対応が分かれた。小田原市は公営病院の立ち会いについて「制度利用の有無は問わない」としている。
同居する子どもを家族として認める「ファミリーシップ」は、横須賀市が24年1月1日からの導入を発表(11月27日発表)。藤沢市が「検討」と回答したほかは「現状予定していない」としている。
制度の相互利用は23の自治体で実施。横浜市は相模原、藤沢、横須賀、千葉市と連携し、川崎市は相模原市と相互利用を行う。湘南地域、三浦半島、県央やまなみ地域、足柄上地域では近隣自治体同士で連携する。
現行制度の課題で約半数の自治体が「制度の適用範囲の異なる市町村との連携」を挙げた。
藤沢市「支援必要」
藤沢市は21年4月にパートナーシップ制度を導入。市人権男女国際平和課によると、利用組数は21年度が24組、22年度11組、23年度(6日現在)15組が利用した。
制度の運用範囲では、自治体間で可否が分かれる▽公営病院における最期の面会や手術の同意▽公園墓地や霊園の利用▽要介護認定での代理手続きと申請▽罹災証明書の交付―などの項目でいずれも可とした。また市独自の取り組みとして、婚姻した夫婦に贈る記念樹の交付も行っている。
自治体連携では22年2月に茅ヶ崎市・寒川市、23年11月に横浜、伊勢原両市とそれぞれ開始した。性的少数者への支援のあり方について同課は「人権や性の多様性の観点から性的少数者への支援は必要だ。当事者が抱える生きづらさを解消できるよう、市として啓発活動にも取り組んでいく」と話している。
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