昭和初期に建てられた米穀店を活用し、多彩なアートを発信してきた「蔵まえギャラリー」(藤沢)が業態と場所を替え、再出発することになった。現在の貸し画廊は来年3月末で終了し、6月下旬をめどに近隣の古民家で飲食店を開業する。作品を発表する場の提供は一区切りとなるが、関係者は「今後は食を通じ、生活に根ざしたアートを発信していけたら」と話している。
旧家や蔵が建ち並ぶ旧藤沢宿。国道から一本入った住宅街の一角に同ギャラリーがある。木造2階建てで引き戸を開けると土間や畳敷きの部屋などがあり、和の風情あるたたずまいと作品の調和が楽しめる場として人気を集めてきた。
運営者で自身もアーティストの佐野晴美さん(68)が「アートと作家の支援」を目的に2006年にオープン。会場では障害の有無やプロアマなどの垣根を超えて公募する「湘南Vividアート展」など、年を通じてさまざまな企画展や多彩なワークショップなどが行われてきた。
ギャラリー終了の契機は、建物の契約更新に伴い貸主から家賃の値上げを提示されて。「残念だが今の業態では収益性が低く、続けることができない」と苦渋の決断をした。再出発する場所を探していたところ、偶然50mほどの近所で空き家となった民家を借りることができたという。
開店にあたっては市の補助制度の活用を念頭に置き、対象の業態となる飲食店として再始動することを決めた。運営メンバー4人が日替わりで店主を務める形を想定している。藤沢宿交流館の受託業務や企画、講習などの機能は佐野さんの自宅に移すという。
開業日の目標は蔵まえギャラリーの創立日でもある6月23日。佐野さんは「色々な人がアートに興味を持つきっかけは作れたと思う。これからは食を通じて人が集まる楽しい場を作りたい」と意気込んだ。
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