大清水中学校で先月21日、ⅤR(バーチャルリアリティー)を用いて認知症の現実を学ぶ特別授業が開かれ、同校3年生約100人が参加した。
朝日新聞社が展開する「認知症フレンドリー講座」の一環で、藤沢地区郷土づくり推進会議が主催。同校では昨年に引き続き2度目の開催となった。
当日は体育館での全体講演が行われ、同社の坂田一裕さんが講師を務めた。講演では、同患者に対する「物忘れ」「徘徊」「意味不明な言動」といった社会のイメージと、当事者の「同じ人間として接してほしい」という思いとの乖離(かいり)を説明。近年の報道の文言についての紹介や、オリジナルドラマの上映なども行った。
その後はクラスごとにⅤR体験で認知症の人が過ごす世界を体験。1人ずつゴーグルをのぞき、下り階段での空間把握能力の低下や、バスの乗降での記憶障害、錯視などの症状を目と耳で学んだ。参加した男子生徒は「臨場感があり、他人事ではない病気だとわかった。街全体で支えていくことが大切だと感じた」と感想を述べた。同じく女子生徒は「バスで支払いがわからず固まってしまう様子がリアルだった。その人が必要している支援をしていきたい」と話した。
坂田さんは授業を通じ、「本人の視点に立ち、どのような思いを抱えているかを知ってもらいたい。まずは普通に接し、困っていることがあればフォローする、という支援につながれば」とし、認知症への正しい理解を呼び掛けた。
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