藤沢市は先月21日、2024年度の当初予算案を発表した。一般会計は前年度比4・6%増の約1679億円600万円で過去最高。市長選直後のため、義務的経費や継続事業を中心とする「骨格予算」となり、市民生活や喫緊の課題への対応に重点を置いた。一方、当初予算編成段階では6億円の財源を留保し、当選者の政策を反映させる余白を残した。
歳入は転入による人口増を背景に全体の半分以上を占める市税が1・7%増の約853億円で過去最大を見込む。
市民税のうち、個人は約5億8700万円増、法人は約1億8400万円、前年度を上回った。市債は同比18%増の57億100万円を計上した。
歳出では人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費が約936億6千万円。予算に占める比率は55・8%となり、過去10年で最大となった。
給食費補助独自に
24年度は市長選を念頭に置いた骨格予算となったが、物価高で影響を受ける市民生活や、安心安全の確保、教育分野での喫緊の課題には配慮。小中学校給食費の物価高騰分を市独自に公費負担(2億8120万円)するほか、4月から小児医療費助成の対象年齢を現行の中学3年生から18歳まで拡大(2億5387億円)する。
また同年度から片瀬海岸に新たな津波避難施設整備(2億3366万円)に着手=中面に関連記事。不登校の小中学校に対する学習支援事業(1232万円)や新規事業として子ども食堂の拠点運営支援(335万円)などいずれも市独自に予算措置を講じた。
都市基盤整備では駅舎の改修が進む藤沢駅周辺地区整備(13億7759万円)や西北部の開発に向けた健康と文化の森地区整備(3248万円)に重点を置いた。
健全財政維持が課題
過去最大規模の予算編成となった一方、社会保障に充てる扶助費や人件費などを含む義務的経費は右肩上がりの状態が続く。経常収支比率も当初予算案ベースで99・1%となっており、決算時に生まれるゆとりを加味しても財政の硬直化が進んでいるのが実情だ。
市は21年に策定した中期財政見通しでは約104億円の財源不足を見込んだが、実際には昨年11月時点で約118億円に拡大。市は事業の見直しや優先順位付け、補正予算への前倒しなどで歳出を縮減し、最終的には貯金にあたる財政調整基金を40億円取り崩し、均衡を図った。
藤沢駅周辺地区整備を始めとする都市基盤や公共施設の老朽化に伴う再整備など大型事業が控える中、健全財政の維持が課題となっている。
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