国土交通省は先月26日、適正な土地取引の指標となる公示地価(1月1日時点)を発表した。藤沢市内の変動率は住宅地が前年比4・2%、商業地は4・7%、工業地が3・9%、それぞれ上昇した。プラスは3年連続で、住みやすさや湘南ブランドなどが影響したとみられる。
藤沢市では、住宅地59地点中57地点が上昇し、1平方メートル当たりの平均価格は20万4600円(9千円増)。商業地は17地点すべてが上昇し、44万4400円(2万2200円増)。いずれも下落した地点はなく、市内外からの土地需要の高さが鮮明となった。
宅地は湘南台人気
住宅地価格の上昇率順位では、湘南台4丁目が9・5%と、藤沢駅周辺や辻堂地区を抑え1位となった。価格順位でも鵠沼石上2丁目に次ぐ2位の平均32万4000円。県内の住宅地における上昇率でも全体7位と人気の高さを示した。
湘南台では、昨年3月に相鉄・東急直通線が開業したことにより、都心の主要都市に乗り換えなしの約1時間で通うことが可能になった。県の担当者は、「交通の便の向上に加え、湘南のブランドや他地区と比較した割安感が人気につながっている」と説明する。
(一社)神奈川県不動産鑑定士協会によると、湘南台は「隣接する戸塚区や泉区からの移住を希望する声もある」という。横浜市西部に比べて地形が平坦なことも魅力として挙げられている。
開発の影響も
商業地は価格、上昇率ともに南藤沢が首位となった。同地平均価格は175万円と、2位の湘南台2丁目の69万2000円の2・5倍以上の差をつけており、上昇率も6・7%と高い伸び幅を保っている。
県は「物件が品薄であることから、売りが出れば買いが入る、という状況だ」と話す。藤沢駅周辺の再整備事業への期待感も高値の要因として挙げられている。
住・商ともに市内で高い数値を示したのは辻堂地区だ。商業施設が並ぶ辻堂駅北口は依然として人気が根強い。同協会は、「海沿いのリゾート感と都市としての憧れが共存している」と語る。駅南口には来年12月に完成予定の地上29階建て高層マンションも建設されており、今後さらに需要が高まると予想される。
今後、市内では村岡新駅(仮称)開業に伴う都市開発なども進む。今回の数値結果を受け、市都市整備課は「期待を裏切らないよう、住民や事業者と連携して開発を進めていく」としている。
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