設立35周年を迎えた湘南シティ合唱団の指揮者を務める 松井 眞之さん 町田市在住 77歳
心震える音楽の喜び
○…プロのオーケストラやソリストとともに舞台に立ち、ヘンデルの「メサイヤ」、モーツァルトの「レクイエム」などの宗教曲を演奏する合唱団。1989年の設立時から音楽監督・指揮者として指導にあたっている。「個人攻撃や厳しい指導はしない主義」。威厳のある風格で穏やかにそう語る。「厳しくも温かさがあり、的確な言葉でハーモニーを引き出してくださる」と団員たちが寄せる信頼は厚い。
○…藤沢や鎌倉、茅ヶ崎をはじめ県内各地からメンバー約120人が集う。コロナ禍を経て1年ほど前から以前のように練習できるようになり、ほっと胸をなで下ろす。ドイツ語やラテン語の大曲は歌う方も指導する側も難儀しそう。だがそこは、初心者でも誰でも心地よく、知恵を出し合い、歌うことをとことん楽しむ合唱団。団員が自主的に発音練習用のCDや歌詞の意味を調べた資料を作成。そのひたむきさと響き合う歌声に、タクトを振る胸は高ぶる。
○…広島県で軍人だった父とピアノに関心のある母のもとに生まれた。高校の部活動で混声合唱と出会い、音楽の道へ。「1年生のときに指揮を任されたのがきっかけ」と振り返る。音楽大学卒業後に渡米。帰国後、神奈川県芸術祭で県民が歌う第九演奏会に起用された。湘南地域で発足した市民合唱団に指導者として招かれ、オペラの指揮や日本フィルハーモニーとの共演などでも幅広く活躍している。
○…練習後は団員たちと食事に行き、おしゃべりするのが楽しみ。お酒はいける口だ。「客席だけでなく出演者も心を震わせているのを感じるのは指揮者冥利に尽きる。音楽に携わることができ幸せ」。バッハの最高傑作といわれる「ロ短調ミサ」の来年の演奏会に向けて練習に熱がこもる。
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