昨年11月に死去した新江ノ島水族館名誉館長の堀由紀子さん(享年83歳)をしのぶ会が23日、同館で開かれた。生前親交があった関係者や地域住民などが献花に訪れ、確固としたリーダーシップで同館を不動の人気にけん引してきた生前の功績を振り返るとともに分かれを惜しんだ。
1974年に主婦から転身し、元日活社長で義父の堀久作氏の創立した(株)江ノ島水族館の代表取締役に就任。86年に同館館長を経て2004年にはリニューアルした新江ノ島水族館の館長に就き、18年まで務めた。
「明るく、元気に、朗らかに、そして勇ましく」が信条。教育と娯楽を重ね合わせた「エデュテインメント型水族館」を実践し、持ち前の行動力とアイデアでグループをけん引した。同館目玉のクラゲの展示は、有害生物としてでなく見た目の美しさに着目し、1988年に堀さんの発案でスタート。専門の展示としては世界初だった。またイワシの大群が泳ぐ「相模湾大水槽」では来館者が海を感じられるよう、波の演出を入り口に配置するよう工夫したのも堀さんのアイデアという。
この日は同館を休館とし、館内に生前の写真やインタビュー動画を展示。クラゲファンタジーホールに献花台が設けられ、訪れる人が次々に花を手向けた。長男の堀一久社長(58)は「厳しくも心根の優しい母だった。偉大な功績に感謝しつつ、今後は我々が新江ノ島水族館を守り抜いていきたい」と話した。
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