新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行し、初のゴールデンウィーク(GW)に江の島周辺を訪れた観光客数(速報値)は約47万7千人(4月27日〜5月6日)で、昨年並みにとどまったことが市観光協会の調査で分かった。今年は好天にも恵まれたが全国的に人出が振るわず、市や島内関係者は「観光客が混雑を避け、分散化したことが一因では」とみる。
調査は連休中の江の島、片瀬海岸、鵠沼海岸の3カ所で実施。駐車場の台数や歩行者、自転車利用者、鉄道3線の乗降客数などから算出した。
調査によると、10日間で江の島周辺を訪れた人は1日平均約4万7700人で、前年同時期と比べて3%微減した。最も人出が多かったのは5月5日の6万7千人で、新型コロナ禍前だった19年の1日平均約5万2千人を上回った。
ただ、10日間の平均値では19年比で1割ほど少なく、島内関係者や観光事業者によると、コロナ前のような極端な混雑は生じなかったという。市観光課では連休中の人出について、「連休前に混雑が予測された場所を敬遠した人がいるのでは。一極集中を避けて分散化する観光様式がある程度反映されているのかもしれない」と分析する。
ほど良い賑わい
「今お待ちのお客様は83組」。飲食店のスタッフが案内すると観光客が「そんなに」と驚いた。連休中に最も人出があった5日の江の島。昼前には駐車場に車の列ができ、飲食店には行列ができた。
ただ弁財天仲見世通りはグループ客や家族連れらでにぎわったものの、「思ったほどの人出ではなかった」というのが島内事業者の実感のようだ。GWは年末年始とともに観光客で賑わう天王山の一つで、コロナ前の弁財天仲見世通りは観光客であふれたが、この日は滞留がとどこおるほどではなかった。
海産物店を営み、湘南藤沢活性化コンソーシアムの代表でもある二見将幸さんは「事業者としては物足りなさもあるが、程よいにぎわいでお客様にとっては快適に観光していただけたのではないか」と話した。
エスカー自動改札
江の島エスカーを運行する江ノ島電鉄は大型連休に先立ち、江島神社入り口と山頂のサムエル・コッキング苑を結ぶキャッシュレス対応の自動改札を導入した。同日は観光客らがチケットを購入後、二次元コードなどでゲートを通過。スタッフの男性は「例年ほど混雑している印象はない」と話していた。
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