少年野球チーム「石川キッズ」創設者で監督を務める 戸嶋 久徳さん 石川在住 76歳
子どもたちと同じ目線で
○…自身も小学校から高校まで球児だった。勤めていた会社の社長から「息子に野球を教えてやってくれ」と頼まれたのをきっかけに、今度は指導者として野球に携わるようになった。遠藤少年野球クラブでの活動を経て、「石川キッズ」を立ち上げてから24年、今まで多くの野球人を育ててきた。
○…子どものために何ができるかを考え、指導方法を勉強した。意識しているのは「子どもと同じ目線に立って接すること」。「ユニフォームを着て球場にいるとそれなりにしっかりして見えても普段は小学生。指摘を受けてしょんぼりする子もいるし、大丈夫な子もいる。一人ひとりの個性を見て指導することを心掛けている」と話す間にも視線は練習中の子どもたちを追う。彼らには「試合で失敗したら出した俺のせい」、「試合に出る準備ができたら言ってこい」と言い聞かせ、対等な関係作りに努めてきた。その甲斐あってか選手たちは「そろそろ自分を出してくださいよ、試合終わっちゃいますよ」と申し出てきたり、OBになってからも気軽にメッセージを送ってきたり。気の置けない距離感は信頼の証だ。
○…準優勝という成績を収めた県大会では出場チームの中で最高齢の監督だった。指導にはOBや保護者が協力してくれている。「若い人たちがいるんだから」と引退を考えたこともあるが、「野球がないと死んじゃうよ」という亡き妻からの言葉に支えられ、活動を続けてきた。今では野球はライフワークだ。
○…長い監督生活の間に教え子が親となってその子どもが入団してきたこともある。選手たちは自身にとって孫のような存在だとうれしそうに語る。「子どもの伸びしろは無限大。野球って楽しいなと思ってほしい」
|
<PR>
|
|
|
|
|
|