鵠沼高校女子バスケットボール部の監督を務める 細木 美和子さん 鎌倉市在住 48歳
全ての出会いで今がある
○...「これまで出会った部員たち全員のことがが好き」。大輪の花のような笑顔が輝く。鵠沼高校女子バスケットボール部の指導にあたって23年目。最初から強豪だったわけではなかった。部員たちの思いの強さ、成長する姿に「自分も見合った努力が必要」と、常に向上心を忘れず指導者としての引き出しを増やしていった。積み重ねてきた部員への信頼と尊敬。互いの絆が、県総体４連覇を成し遂げた。
○...レベルの高い部員が揃う今年、春先は「全員が主将」とあえてリーダーを決めずに新体制で走り出した。しかし、関東大会では初戦敗退。肩を落とす部員のために、どうするべきか。勝ちに執着できる２人の部員に白羽の矢が立った。これまでに経験のない「ダブル主将」体制だったが、「今の部のカラーにピッタリはまった」と、迷いはなかった。「明確な目標を持った時の子どもたちの可能性は計り知れない」。日々の練習姿から、思いは確信に変わっている。
○...高谷小学校、村岡中学校と藤沢で生まれ育った。小学校からバスケを始め、大船高校でもボールを追った。しかし、けがをきっかけに、日本体育大学では指導者としての道を志した。「勝っても負けても、部員たちから感動をもらえる」。指導者冥利に尽きる瞬間だ。時に迷う場面では、過去の自分に問いかける。「これまでがあって今の自分がある。いつでも隣にいてくれる心強い味方」と笑う。
○...夫は元プロバスケ選手で現在は中学校の男子バスケ部で指導にあたる。今年から立ち上げた夫のクラブチームには中学生の長男も参加。「親子で一緒にやることでスイッチが入ったみたい。スポンジのように色々なことを吸収している」と母として相好を崩す。
