湘南大庭地区で3年間にわたって地域住民、事業者、行政職員らで話し合いが進められてきた「湘南ライフタウン活性化指針」の素案が先月まとまった。開発から50年余り。住民が肌で感じた課題と、行政が持つ情報を交えて練り上げられた方針は、民意反映の大きさと、まちづくりへの住民参加、両面で注目されている。
湘南大庭地区は市の西部開発事業として、1971年に着手されたニュータウン。交通不便が解消された70年代後半から人口が増え、87年には3万人を突破。市民宅地分譲の倍率が30倍になったこともある。
しかし、50年が経ち、建物やインフラ設備の高経年化や、市内最低から最高になった33%もの住民の高齢化率、戸建て、賃貸、低層・高層といった住居種類を超えたコミュニティーの不足などの問題が表面化。そこで市では同地区の活性化と今後のまちづくりを検討する時期とらえ2021年、住民らを交えた「湘南大庭の未来を考える会議」を設置、3年かけて活性化指針の素案をまとめた。
共生・生彩・発信
素案は60頁にも及ぶ。現在の同地区の統計的背景から、考えられる資源、市民から寄せられた課題などを背景に、活性化に向けた方針を示す。
柱となるキーワードとして挙げられたのは「共生」「生彩」「発信」の3つ。それぞれの方針としては、「共生」▽色々な人々、色々な世代が交流する▽顔が見え、お互いさまと思えるコミュニティーづくり▽持続可能なまちづくり▽楽しみながら地域全体で子どもを見守り、育てるために▽デジタルでつなぎ、つながるために/「生彩」▽イベント等によって楽しみを創出する▽自然を守り、活かす▽地域のにぎわい創出/「発信」▽まちのイメージ形成と郷土愛を育てる▽まちの魅力や情報をみんなが知る▽まちの魅力や情報を幅広く、効果的に伝える―となっている。
市はより多くの市民の声を集めようと同会議では市民意見を7月26日(金)まで市住宅政策課のホームページで受け付ける。
今回の活性化指針は、市民意見を加味した後、市長に提出。今後のまちづくり施策に生かされる予定という。
地域住民を交えてまちの再生を検討することについて、同課は「住民自身もまちづくりの主体となることで、より実態に即した需要を拾うことができる」と話す。
|
|
<PR>
藤沢版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>