藤沢市役所ロビーコンサートを主催する 青山 夏実さん 鵠沼在住
「音楽に生涯をかける」
○…奇数月の第3水曜に、無料のコンサートを市役所で行っている。「都心へ行かなくても、クラシック音楽を聴ける」「市内の演奏家に発表の場を設けたい」との思いから、1990年に開始。「志を共有でき、音楽に一生懸命に取り組んでいる人たちを集めたい」という信念を貫く。
○…藤沢市出身で、ピアニストとして活動中だ。ジュネーブに留学した時、市役所の中庭で著名な音楽家が無料で演奏を披露するのを目にし、「日本でもやってみたい」と考えた。帰国後、中学時代の教師から当時の藤沢市長を紹介されて直談判。初開催にこぎつけた。「友人などに呼び掛けてグループを結成した。でも当初は出演料も払えなかった」。4年ほど活動を続けた後、オーデションを導入し、参加者の輪を広げた。2000年には「トライアングルコンサート」と銘打って独立した。
○…母の勧めで6歳からピアノを始め、すぐに夢中になった。厳格な母や教師のもと、夜遅くまで練習に励んだ。「本当にきつかったけれど、今の自分がいるのは、あの日々があったからこそ」と述懐する。その後、東京芸術大学音楽学部に合格。在学中は故・井内澄子さんに師事し、一流の「音に意味を持たせる演奏」を教わった。ベルリンやジュネーブに留学後はプロとしてキャリアを重ね、07年にはカーネギーホールでのソロ公演を実現した。「病床の母に報告できたことは良かった」と振り返る。
○…現在も音楽一筋。「過去の偉大な音楽家たちがそうであったように、音楽に一生を賭けたい」と決めている。毎日の楽しみは、8歳になる愛犬との触れ合い。「ピアノの音と一緒に歌ってくれる。この子がいるうちは元気でいなきゃね」と朗らかに笑った。
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