「藤沢ランドスケープシアター」の企画・運営を手掛ける 木津 潤平さん 市内在住 55歳
○…「建物を持たない劇場」を市内各所につくるプロジェクトが今月、フジサワ名店ビルで始まった。「藤沢ランドスケープシアター」と銘打ち、その仕掛け人として奔走。開幕イベントでは市民から活発な質問が飛び交ったことに触れ、「皆さんの関心も高く、手応えを感じた」とほっとした表情を浮かべる。
○…愛知県豊田市で生まれ育った。モノづくりが好きで、映画監督に憧れた時代もあったが、高校生の時に舞台美術家の故・朝倉摂氏の写真集を手にし、あまりの迫力に「こんな世界があったのか」と衝撃を受けた。芸大への進学も考えたが、空間デザインをカバーしたいと東京大学に入学。建築学科を専攻し、大学院に進むと演出家の宮城聰氏率いるプロ劇団で美術スタッフとして舞台を陰で支えた。その後、大手設計事務所に入社。一級建築士を取得して、劇団関係者や一般顧客の求める世界観を実現した。
○…仏・アヴィニョン演劇祭での野外劇『マハーバーラタ』では石切場という特殊な環境を生かし、リング状の舞台が客席を包み込む空間構成を手掛けた。「太鼓の一打に鳥肌が立った」と自身も興奮したが、幕が閉じた瞬間に爆発するかのように総立ちした観客から称賛を浴びた。現地の老婆の「こんなに気持ちいい場所だったなんて」という一言は今も活動の原動力になっている。
○…18年前に妻の実家があった藤沢で独立した。歴史の積み重ねから香り立つ文化。昭和レトロな雰囲気漂う駅前の佇まい。「エネルギーに満ちたここに来れば、本物に出会えるといった期待をしてほしい。全国から注目される場になるまで地道に長期的に活動していくつもり」。意表を突くほど面白い、土地の魅力を可視化する劇場化。好奇心が未来をつくる。
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