藤沢駅近くにある総合スーパー「イトーヨーカドー藤沢店」(鵠沼石上)が、来年1月13日に閉店する。1974年6月の開業から50年余り。これまで駅南口エリアに活気をもたらしてきたシンボル的な店舗の幕引きに、市内の常連客らからは別れを惜しむ声が上がっている。
敷地面積は1万1170平方メートル。現在売り場は地下1階から地上6階まであり、食品や日用品、衣料品のほか、専門店街には学習塾やテニススクールなども入っている。
親会社のセブン&アイ・ホールディングスは2023年3月、赤字脱却に向けた構造改革の一環として、採算の悪いイトーヨーカドー33店舗を26年2月までに順次閉店することを発表した。県内では先月18日に綱島店(横浜市港北区)が営業を終え、藤沢店、川崎港町店(川崎市川崎区)、茅ケ崎店(茅ヶ崎市)が来年1月に閉店する。
また、ダイエー藤沢店も74年6月に開業した。イトーヨーカドー藤沢店は、その5日後に開業。かつて地域住民らから「北のダイエー、南のヨーカドー」と言われるなどライバル関係にあり、たびたび価格競争を起こした「藤沢戦争」は今も語り継がれている。
先月30日に店舗入り口に貼った掲示物やホームページで閉店を報告。足を止めて、驚きの声を上げる買い物客もいた。近隣に住む60代男性は「学生時代に待ち合わせの場所に使ったり、子どもを連れて遊びに来たりして、たくさんの思い出が詰まっている店。あって当たり前だったから寂しい」と残念がり、大きなため息をもらした。
閉店後の建物の活用方法は発表されていない。
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