第78回国民スポーツ大会のゲートボールで優勝した「夢湘南」主将を務める 沼上 洋子さん 茅ヶ崎市在住 75歳
チームに活力「魔法の声」
○…出場した過去3回のうち準優勝が2回。国民スポーツ大会の優勝は、まさに「念願」だった。「大会当日の予選から皆のプレーが良くて、自分の中ではっきりと予感があった」と、にんまり。仲間から「魔法の声」とも言われる張りのある声援が、大舞台の緊張をほぐす。「私にはゲートボールしか取り柄がないから」と謙遜する言葉も、爽やかに笑いを誘う。
○…藤が岡で生まれ、中学校から社会人までソフトボールにのめり込んだ。体を動かすのは昔から好きだったが、40代になると「若い子に追いつけなくなっちゃって」と、違う道に目を向けた。近所の公園でプレーしていた知人から声をかけられ、ゲートボールと運命の出合い。最初は「簡単でしょ」と始めたが、試合になると、自分よりも高齢の選手に勝てない。作戦の重要性と競技の奥深さを知って一気に惹かれていった。
○…練習では、藤沢市と茅ヶ崎市の愛好家が大清水サブグランドに集う。週3日、朝から夕方までボールを打つのは体力的に負荷も大きいが、「真夏の暑い中でも皆がついてきてくれる。本当に感謝です」と目を細める。スポーツマンとして「試合に出るからには勝つ」が信条。時に厳しい言葉もあるが、練習量が自信を育てる。誰よりも励むことで、自らも主将としての矜持を示す。その積み重ねがあるからこそ、言葉にチームを鼓舞する魔法が宿る。
○…高齢者スポーツの印象が強いゲートボールだが、30代や40代の選手も増えている。最初に教えるのは「あいさつと礼儀の大切さ」。技術を吸収する心の土台を重視する。「最近は教え子たちが大会でも結果を出してくれてね」と、自分の事よりうれしそうに、前のめりで瞳を輝かせる。
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