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神奈川県日赤紺綬有功会60周年特別鼎(てい)談 「人を救う」掲げ、心をひとつに
日赤紺綬有功会とは
――改めてとなりますが、日赤紺綬有功会とはどういった団体でしょうか。また、60周年を迎えた今の率直なご感想をお願いいたします。
最上会長-「人道」を基本理念として活動を展開する日本赤十字社神奈川県支部の支援団体として、昭和39年5月18日に設立されました。
日本赤十字社に対し、20万円以上の活動資金に協力いただいた方が会員になることができ、赤十字の活動に対して、主に資金面で支援するとともに、当会が主催する懇親会や旅行などを通じて会員相互の親睦を図っています。
神奈川県日赤紺綬有功会は、発足以来、災害救護活動をはじめとする赤十字活動への支援はもとより、県内の赤十字病院や血液センター、ライトセンターなどの各施設に対しても車両や医療機器などの寄贈を積極的に続けてまいりました。
このような支援活動を長く続けてこられた歴史に思いをはせると、胸がいっぱいになります。諸先輩をはじめ会員皆さまのご尽力のおかげであると感謝申し上げるとともに、大変誇りに思っています。
そうした思いを我々後輩が引き継ぎ、有功会のさらなる発展に向けて全力を尽くして参ります。
日赤のパートナーとして
――日赤神奈川県支部の主な取り組み、また長きにわたり日赤神奈川県支部を支えてきた同会の存在や果たしてきた役割をどう感じられていますか。
黒岩知事-日赤は「人間のいのちと健康、尊厳を守る」ため、国内外でさまざまな人道支援活動を行っています。
また、先日スイスのジュネーブの国際委員会に行く機会があり、赤十字の原点に触れてきました。世界で起こる戦争に対し、敵味方を超えて人を救おうとする活動の原点に改めて触れ、尊さを感じました。幸い日本では戦争こそありませんが大きな災害がおきており、救護活動は、関東大震災の時から連綿と続く日本赤十字社の一丁目一番地の活動です。
令和6年1月1日に発生した能登半島地震においても、発災直後から全国の赤十字病院から救護班を派遣し、絶え間ない救護活動を行いました。
このような救護活動をはじめとする日本赤十字社の活動は、地域の皆さまや法人からの寄付で成り立っており、有功会にもその一翼を担っていただいております。
また、折に触れ、有功会会員の皆さまから日本赤十字社に対する貴重なご意見も頂戴しております。
神奈川県日赤紺綬有功会は、日赤神奈川県支部にとってなくてはならない存在であり、多大な貢献を果たしていただいております。
河鍋事務局長-日本赤十字社神奈川県支部では、災害救護活動のほか、救急法講習会等の健康・安全事業、奉仕団等の赤十字ボランティアへの支援、青少年赤十字活動の普及などに取り組んでいます。
こうした中、神奈川県日赤紺綬有功会からは、日ごろのご寄付のほか、青少年赤十字リーダーシップ・トレーニング・センターや赤十字救急法競技会での記念品の贈呈、県内赤十字病院へ医療機器を贈呈する特別事業募金を行っていただいており、有功会のご支援なくして安定した活動は実現できないものと考えております。
全国最大規模の献血活動
――日赤紺綬有功会では、赤十字活動を資金面で支援していますが、個々の会員は献血への協力もしています。最上氏ご自身は有功会の会長になられる前から献血へ協力されていますが、その思いをお聞かせください。
最上会長-毎年、私が勧進元をしております、春巡業 大相撲藤沢場所にあわせて、2006年から献血キャンペーンを開催しており、今年は、第19回目となりました。
大相撲藤沢場所ほか3カ所の献血会場に過去最高の903人がご来場くださり、29万4800ミリリットルの血液を確保することができました。
これは、一升瓶で換算すると、163本にもなります。ご協力をいただきました皆さまへ深く御礼を申し上げます。
こうした中ですが、国内では高齢化社会に突入し、献血できる人が減る一方で、血液を必要とする人は増える傾向にあります。
血液は人工的に造れず、長期保存もできません。
今年度私は、日本赤十字社本社の常任理事に就任したことから、常任理事会の場で、献血可能年齢の引き上げや献血を希望しても、血液の濃さ(血色素量)が足りないなどの理由により献血ができない人を減らす対策などを提言しております。
また、何よりも、今の子どもたちや若い人たちにも献血を知っていただく機会が必要であると思っているところです。
献血活動に感謝
――このような献血活動に対する有功会及び最上会長の支援について県支部としてどのように感じていらっしゃいますか。
黒岩知事-春巡業 大相撲藤沢場所は、例年4月に開催されます。
ほかの会場とあわせて、3月下旬から4月上旬という、日々の生活のなかでも、一番身辺が大きく変化するこの時期は、献血者数が落ち込む傾向にあります。
そのような中で、この時期の献血キャンペーンで多くの方々にご協力いただくことにより、血液を安定的に確保することができています。大相撲と献血を組み合わせる発想も素晴らしいと思いますし、毎年継続してやっていただいて、どんどん協力する企業、団体が拡がって献血量が増えている。これはほかに類を見ない神奈川の赤十字活動の誇りだとも思っています。
神奈川県では、高度先進医療を担う大規模な医療機関が多く、血液使用量は年々増加傾向にありますが、少子高齢化の進展などにより、輸血医療を取り巻く環境は非常に厳しい状態となっております。
最上会長のご支援のおかげで、輸血用血液を安定的に確保することができ、その結果、多くの尊い「命」が、皆さまの温かい善意によって救われています。
あらためまして、最上会長をはじめ、関係者の皆さまのご尽力とご協力に心から感謝申し上げます。
真に活動できる組織へ
――県有功会では、今後どのような取組みをお考えでしょうか。
最上会長-昨年度、有功会は、年会費をお支払いいただいていない会員に対し、継続を希望されるかご連絡を差し上げた次第です。
退会される方もあり、会員は約5分の4となりましたが、真に活動できる有功会になってきたと思っています。
今後、有功会がますます発展し、赤十字活動をより強力に支援できるよう、それぞれの会員が、身近な方々にお声がけいただき、老若男女さまざまな方々に新たに会員となっていただけるよう努めたいと考えております。
また、会員の友好を図る視察研修旅行では、必ず日赤ゆかりの地や人道・いのちに関係のある場所を訪れるようにしていて、こうした旅行は今後とも継続し、会員の皆さまに、日赤をより一層理解していただき、人道・いのちに思いをはせていただきたいと考えています。
ちなみに昨年度は、和歌山県にあるトルコ記念館を訪問しました。
トルコ記念館は、明治時代に和歌山沖で座礁したトルコ船の遭難者に、地元の村民が救助・看護にあたったことが、日本とトルコの友好の始まりになったことを記念し、建てられたもので、日本赤十字社の「平時国際活動発祥の地」の記念碑があります。
人を救う思い共有を
――最後に県民のみなさんへのメッセージをお願いします。
黒岩知事-日本赤十字社は、救護活動をはじめ、医療事業、血液事業、青少年赤十字、赤十字ボランティア、国際活動、社会福祉事業のように幅広い分野で活動しています。
これらの赤十字事業は、皆さまの「苦しんでいる人を救いたい」という温かい善意によって支えられております。
ただし、ある篤志家と言われる方個人が支えるだけでは本来の赤十字活動になりません。皆様からのご寄付や献血、命を守る講習の参加などが、赤十字の人間のいのちと健康、尊厳を守る活動の継続の支えとなります。地域、法人の皆さまのお力添えを賜るよう、今後ともご理解とご協力をお願い申し上げます。
中でも、日頃から赤十字活動の推進に温かいご理解とご支援をいただいている神奈川県日赤紺綬有功会の皆さまには、改めて御礼申し上げるとともに、今後とも、ともに歩んでまいります。
最上会長-地震や台風などの自然災害が頻発する中、赤十字の活動は身近でとても心強いものです。
「人道」を基本理念とした日本赤十字社神奈川県支部の活動を資金面から支援することを目的に設立された神奈川県日赤紺綬有功会。その会員は、毎年5月に開催される全国赤十字大会に参会いただいたり、懇親会や赤十字のゆかりの地を巡る視察研修旅行の行事に参加いただくことができ、人脈作りの場としても活用いただけます。
今年創立60周年を迎える有功会ですが、その活動をますます発展させていくために、会員の輪を一層広げ、赤十字活動への支援を続けていきたいと考えております。
ぜひ、神奈川県日赤紺綬有功会への入会をご検討いただければと思っております。
河鍋事務局長-日本赤十字社神奈川県支部の事業費予算は、人件費を含めて、その財源の9割近くが皆さまからのご寄付です。
つまり、神奈川県支部のさまざまな事業は、地域の皆さま、法人の皆さま、そして、有功会の皆さまのご支援によって成り立っているということです。
職員一同、そうしたことを肝に銘じ、しっかりと事業を行っていく中で、日赤から皆さまに還元できるものとして、地域や法人に対しては、AEDを学ぶ救急法講習や健康生活支援講習、防災セミナーを、学校に対しては、健康安全プログラムや防災教育プログラムを提供できる用意がありますので、ぜひ、日赤を使っていただきたく、よろしくお願いします。
神奈川県日赤紺綬有効会てい談企画
神奈川県日赤紺綬有効会てい談
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